風邪をひきやすいから冬はどうも苦手、と感じている人もいるかもしれません。そんな人は、もしかしたらコレステロール不足が関係していることも。
まるでホルモンのようなビタミン
ビタミンDの多いたべもの:肝油、キャビア、サバ、鮭、イワシ、マグロ、マッシュルーム、生乳、卵栄養素のなかでも、近年、とくに注目を浴びているのがビタミンDです。かつては、身体のなかでカルシウムの量をコントロールしたりする、“骨に関するビタミン”として知られていましたが、それだけにとどまらない、驚くような仕事ぶりが次々と解明されています。
そのひとつが、免疫力に深くかかわっていること。
ビタミンDは、細胞の核にダイレクトにはたらきかけ、細菌やウイルスなどの感染を抑える抗菌ペプチドを増やしてくれるのです。核はご存じのとおり、細胞の遺伝子が存在する場所。遺伝子に直接、抗菌ペプチドを作るよう指令を出しているのです。
こうした仕事は、おもにホルモンが行っていること。ビタミンなのに、まるでホルモンのような仕事をしているのには驚きます。
そのチカラは、インフルエンザの感染までも抑えるほど。閉経後の女性たちの半分にビタミンDのサプリメントを与えたところ、飲んだ人たちはそうでない人たちに対し、インフルエンザや風邪の症状を訴える割合が3分の1ほどに減ったという研究もあります。
低コレステロール値の弊害とは
そんなビタミンD。食べ物から摂る以外にも、身体で作ることができます。その材料は、なんとコレステロール。
皮膚の下で、コレステロールからビタミンDが作られます。夏に比べて冬は日照時間が短く、そのうえ寒さでたくさん着込むため、肌を紫外線に触れる面積が少なくなり、ビタミンDが作られにくくなるとも考えられているのです。
冬になると家のなかにこもりきり、という人もですが、気になるのは血液検査のデータでコレステロール値が低い人。コレステロールは低いほうがいいというイメージは強いですが、とても大切な物質でもあります。低すぎても風邪をひきやすくなることに。ちなみに、女性ホルモンや肌細胞の材料でもあります。
野菜はもちろん、肉や卵もしっかりと食べることが冬の元気につながっていきます。これからはイベントも多く楽しいシーズン。栄養の力を借りて、タフに乗り切っていきたいものです。
風邪対策ほかにもいろいろ
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