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毎月のように小鼻に黒ニキビができたり、あごにニキビが大量発生したりするのはどうしてなの、と思ったことはありませんか? 

古くから言われている「フェイス・マップ」の考え方から、その理由がわかるかもしれません。レントゲンやMRIなど、身体の中を“見る”ための近代的な技術が生まれる前に、中国の伝統医学(TCM)とインドのアーユルヴェーダで生まれてきた考え方です。体内の器官の健康状態を外から調べるためのものなのです。

フェイス・マップとは?

ほほ、額、あごといった顔の各部分は、体内の器官と対応すると考えられています。治療が必要な体内の部分を、皮膚から推定できるという考え方です。例えば、額にシミができたら、小腸に問題があるせいかもしれないというように考えます」と、ニューヨーク市の認定皮膚科医、レイチェル・ナザリアンさん。

西洋医学はフェイス・マップを取り入れていませんが、ナザリアンさんは、肌をみることで、身体の中で何が起きているのか知るための手がかりを得ます。

「あごとあご下の輪郭部分にニキビがたくさん出るのは、多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)に関連していることがよくある」とナザリアンさん。

赤い箇所は「小腸の問題」、青い箇所は「ホルモンのバランスが崩れている」、黄色の箇所は「大腸か呼吸器の問題」、水色の箇所は「PCOSもしくはホルモンのバランスが崩れている」

目の周り、鼻、あごの辺りの赤みやブツブツは、腸内細菌のせいである可能性があると示す研究も報告されています。理屈としては、ちゃんとした食事を取っていないと、腸からの毒素の影響で、炎症が引き起こされるということ。「皮膚は体内の変化に反応しやすい器官なのです」と、ナザリアンさんは説明します。

顔のどこかにニキビができても、そこから体内の機能について必ず何かがわかるとは限りませんが、「健康を脅かしているかもしれない内部の問題を知るには、このような小さい変化に気づくことが大切です」(ナザリアンさん)。

ニキビの場所別、関連する体内の問題とアドバイス

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フェイス・マップによる情報を生かすためにいちばんよい方法は、皮膚を清潔に保ち、抗酸化物質の豊富な食べ物をよくとること。栄養価の高い食べ物を身体に取り入れると、体内の炎症がニキビという形であらわれにくくなるからです。

Tゾーン

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フェイス・マップによる意味:額は小腸と結びついています。また、腎臓の機能が低下すると、目の周りが腫れぼったくなることがあります。

皮膚科医のアドバイス:「額、鼻、あごと続くTゾーンは、オイル(脂)の分泌が盛んなところ。この部分にできるニキビはたいてい、汗腺が詰まっているせいです」と皮膚科医院「オンティエール・ダーマトロジー」の創設者で医師のメリッサ・カンチャナプーミ・レビンさん。

湿度が高い環境に暮らす女性や、帽子やヘッドバンドをよく身につける女性は特に、額にニキビが出やすくなります。厚塗りメイクも原因になります。「毛穴を塞がないノンコメドジェニック(non-comedogenic)表示のある化粧品を探しましょう」とカンチャナプーミ・レビンさんはアドバイス。

どこにできるかよりも、ニキビのタイプの方が重要」と言うナザリアンさんによると、鼻と額には小さな黒ニキビや白ニキビができやすいそう。「この治療に理想的なのは、レチノイドという化合物を含む薬です」(ナザリアンさん)。

「外用レチノイド薬(塗り薬)は、全体がビタミンAの誘導体(体内で代謝を受けてビタミンAになる物質)で、軽度〜中度〜重度のニキビの“第一選択薬(最初に使用する薬)”と考えられています」とカンチャナプーミ・レビンさん。

効果があるというのは、日本でも処方されている「ディフェリン」のゲル。「敏感な肌にも向いています」とレビンさん。

あごとあご下の輪郭部分

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フェイス・マップによる意味:この部分のニキビは、ホルモンと内分泌機能に関連する可能性があります。

皮膚科医のアドバイス:あごとあご下の輪郭部分に沿って現れる痛いニキビは、ホルモンのアンバランスが原因かもしれません。

「ホルモンによっては、脂肪分泌腺を刺激しすぎて毛穴を詰まらせ、痛みのある嚢胞(のうほう)性のニキビ(ウミがたまったブツブツ)の原因になります」と、レビンさん。

顔の外縁

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フェイス・マップによる意味:顔の外縁のニキビは、ホルモンのアンバランスに関連する可能性があります。

皮膚科医のアドバイス:「ここのニキビはホルモンに関連する場合もありますが、再発するようなら使っている製品を調べてみましょう。ニキビが主に生え際、額、耳の後ろ、または頬の外側であれば、ヘアケア製品をチェックすることが大切。成分のオイルや化学物質が毛穴を詰まらせ、皮膚を刺激しているかもしれません」と、レビンさん。

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フェイス・マップによる意味:頬のニキビは、大腸か呼吸器系の問題に関連する可能性があります。

皮膚科医のアドバイス:「ニキビが鼻と頬にかたまっていて、敏感肌か赤みのある肌なら、肌に赤みが出てくる皮膚の症状“酒さ(しゅさ)”と呼ばれる症状かもしれません」とナザリアンさん。

この部分のニキビは、食事とライフスタイルの改善が治療に有益な場合もあります。「抗炎症性の外用薬(塗り薬)と内服薬を使い、食事にプロバイオティクスを取り入れるとよいでしょう」(ナザリアンさん)。

それからレビンさんによると、どんな食事を取っているか皮膚科医に伝えることも、治療に役立つそう。「血糖値のあがりやすいグリセミック指数が高い食べ物や、オーガニックではない乳製品などは、炎症を招きやすく、ニキビを悪化させる可能性もあります」(レビンさん)。

のニキビでは、携帯電話も原因かも。カリフォルニアの皮膚科総合医療施設、レーザー・スキン・ケア・センターの皮膚科医チームメンバーでロサンゼルスの皮膚科医、チッポラ・シェインハウスさんの説明では、「携帯電話の表面は、あなたの顔から移ったオイルと細菌でいっぱい。それがまた顔にうつるのが問題を引き起こすかもしれません。1日に2〜3回画面を拭いて、携帯電話を置く場所にも気をつけては」といいます。

結論:「ニキビがどこにできても、心配なら皮膚科医にみてもらうことが大切です。皮膚は体内で起きている問題を反映することの多い器官なので、さらに詳しく調べる必要があるかどうかがわかります」(ナザリアンさん)

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