「りんごを食べれば医者いらず」ということわざのように、一日30分歩けば、医者いらずになります。体重やストレスを減らしたり、血圧を下げたり、慢性的な病気のリスクを下げたりなど、歩くことのメリットはたくさんあります。
『The Doctor on Demand Diet』の著者、メリナ・B・ジャンポリス医学博士は、ウォーキングは健康のための行動で一番効果があり、さらに一番気軽にできるものだと言います。「私がだいたいの患者さんにすすめているのはウォーキングです。簡単で運動靴以外なにもいらないのに、心身ともにメリットがたくさんあるからです」とジャンポリスさんは話します。1週間のうち3〜4日以上、30分だけ歩くことで、こんな効果が見られるはずです。
01. 気分がよくなる
image via shutterstockハードな一日をいやすにはワイン1杯、あるいはダークチョコレートを1片食べるといいということは聞いたことがあると思います。
ジャンポリスさんはウォーキングにも同じような効果があり、しかも摂取カロリーはゼロだと説明します。「研究によると定期的に歩くことで神経系が大幅に修正されて、怒りや敵意といった感情があらわれる場面が減るのです」とジャンポリスさんは言います。なによりもいいのは、ウォーキングは、パートナーや仲のよい友人、近所の人などと一緒にやることで、イベントにできることです。
また、外を歩くことで太陽の光を浴びることができます。陽の光は季節感情障害(SAD)の予防にもなります。ジャンポリスさんも、屋外でのウォーキングは冬場のうつの解消方法にもなってくれると言います。
02. クリエイティブになる
image via shutterstock仕事でなにかに詰まっていたり、むずかしい問題の解決法を探していたりするときなどに体を動かすのはよいアイディアだと、研究でも示されています。
「Journal of Experimental Psychology, Learning, Memory, and Cognition」の2014年の研究によると、歩くことで創造性が刺激されると言います。「座っているときと歩いているときに、クリエイティブ・シンキングのテストを行ったところ、歩いているときのほうが、座っているときより創造的な考えができたという研究結果が出ています」とジャンポリスさんは説明します。
03. ジーンズもゆるくなる
image via shutterstock当たり前かもしれませんが、定期的にウォーキングをするようになると見られるうれしい効果だとジャンポリスさんは話します。「ウォーキングを続けると、体重計の数字はあまり変わっていなくても、ズボンの、特におなかまわりがゆるくなっていることに気づくかもしれません」。
これは、定期的に歩くことで、体のインスリンへの反応が改善されて、おなかの脂肪を減らすのを助けてくれるからだそうです。ニューヨークのジム、Crunchのパーソナルトレーナー、アリエル・イアセヴォリさんは、「毎日のウォーキングは、体へあまり負担をかけずに脂肪を減らし、体組成を変化させるのに一番効果のある方法」と加えます。
「毎日歩くことで新陳代謝がよくなりカロリーを余分に燃やすようになります。それに加えて、筋肉量の低下を防いでくれます。筋肉量をキープすることは、特に年齢を重ねるとともに大切になってきます」とイアセヴォリさんは言います。
さらによいのは、ジムで汗をかかなくてもこの効果を得られることです。「私のクライアントで、毎日帰宅時に1.6キロ弱歩くのを1ヵ月続けただけで体脂肪を2パーセントも減らした人もいます」とイアセヴォリさん。
04. 慢性病のリスクを下げる
image via shutterstockアメリカ糖尿病協会によると、ウォーキングは血糖値を減らし、糖尿病のリスクを全体的に下げてくれるそうです。その効果を示すデータはなかなかのもの。
コロラド大学ボルダー校とテネシー大学の研究者は、定期的なウォーキングは血圧を11ポイントも下げて、さらに脳卒中のリスクを40パーセントから20パーセントに引き下げてくれると言います。『New England Journal of Medicine』に2002年に発表され、数多く引用されているウォーキングに関する論文によると、
身体活動ガイドライン(30分以上の中程度の活動を週5日以上している)を満たして歩いている人は、歩く習慣のない人に比べて、循環器疾患のリスクが30%も低かったそうです。
マイアミのPritikin Longevity Center + Spaのフィットネスディレクター、スコット・ダンバーグさんも「歩くことの効果については数多く書かれています」と話します。こういった目を見張るような効果もあるので、ウォーキングを続けていたら、次の健康診断では医師から褒められるかもしれませんね。
05. きれいな脚をキープできる
image via shutterstock年齢を重ねると、残念ながら静脈瘤ができてしまうこともあります。でもウォーキングでこれを予防できると、ニューヨークのThe Vein Treatment Centerの創業者であり、ディレクターのルイス・ナヴァーロ医学博士は話します。
「静脈系は、『第二の心臓』とも呼ばれるふくらはぎや足にある筋肉や血管などの集まりも含んでいます。これが血液を心臓や肺まで押し戻す役目をしてくれています。ウォーキングは脚の筋肉を鍛えて、衰えるのを防ぎ、この第二の循環システムを強化してくれます。これが健康的な血の流れを助けてくれるのです」
もし今静脈瘤に悩んでいるなら、毎日のウォーキングは、静脈瘤によるむくみや脚のむずむずをやわらげてくれる、とナヴァーロ医学博士は言います。そして、もし遺伝的に静脈瘤ができやすい場合も、毎日歩くことで症状が出るのを遅らすことができるそうです。
06. 消化がよくなる
image via shutterstock今、消化器系のためにコーヒーを飲んでいるなら、そのかわりに朝のウォーキングを考えてみましょう。これは、ウォーキングの習慣が、胃運動機能を大幅に改善してくれるからだと、Cancer Treatment Centers of Americaの理学療法士のタラ・アレイカミーさんは説明します。
アレイカミーさんは、腹部手術をした患者さんにまずやってもらうのは、歩くことだと言います。歩くことで体の深部と腹筋を使い、胃腸の運動を促してくれるからだそうです。
07. 他の目標にも手が届くように思えてくる
image via shutterstock定期的に歩くようになると、それは新しい習慣を作れたということです。習慣になればその行動を続けやすくなり、さらにまた新しい健康的な行動を取り入れやすくなります。
「私は定期的に歩くことが、自分が設定したほかの目標を達成するのを助けてくれると強く信じています」と、自身もウォーキングを実践するパーソナルトレーナーのキム・エヴァンスさんは話します。
ウォーキングにはうれしい効果がたくさん
1日30分のウォーキングで得られる心身への効果
ウォーキングは多くの慢性疾患のリスクを減らすことができます。1週間、毎日30分間歩くだけで感じられる効果をご紹介します。 https://www.mylohas.net/2018/06/169127walking.html【体幹ウォーキングのススメ】金さん指南! 残念な歩き方を健康美に変える方法
ウォーキングを日課にしている人はもちろん、これからウォーキングをやってみようと思う方は必見です。ウォーキングは、ただ歩くにあらず。その方法をプロラン... https://www.mylohas.net/2018/05/167050.htmlMeghan Rabbitt/7 Incredible Health Benefits of Walking 30 Minutes a Day
訳/Noriko Yanagisawa