生理ってホントに大変。おなかが痛くなるとか、不快な張った感じがするだけでなく、体重計に乗ってガックリする人もいますよね。「食べ物に気をつけて、ジムも欠かさなかったのに、どうして増えているの?」と。
でも、ギブアップする前に聞いてほしいのですが、生理中に体重が増えるのは正常なことなのです。
どうして生理中に体重が増えるのか、どれくらいまでなら正常なのか、そしてどれくらいの間、増えたままなのか、医師に聞いてみました。
生理中の体重増加はいつ始まるの? そしてどれくらい続くの?
image via shutterstock「生理の2〜3日前には、おなかのあたりが張って重たい感じになることがよくあります。生理の直前はプロゲステロンというホルモンがたくさんでているからです。このはたらきのために身体が水分をためこもうとします」と、シカゴにあるノースウエスタン・メモリアル病院の婦人科医、アンジェラ・チョーダリさん。
そしてグッド・ニュース。体重は生理が終わるまでに正常にもどるはず。
しかたないとしても、どれくらい増えるの?
image via shutterstock「生理中ずっと1時間に0.5 kgくらいずつ増えているような気がするかもしれませんが、実際の増加量はほんの少しのはず」とアメリカの大手総合病院、クリーブランド・クリニックの婦人科医、モニカ・スヴェッツさん。
おおまかな平均として生理中の体重増加は0.5〜1.5 kgくらい(最大で2.5 kgくらい増える人もいます)。ちょっと増えすぎかなと思ったら、念のため医師に相談。身体が水分をためこみすぎている場合、内分泌か腎臓の問題が考えられます。
生理中に体重が増える4つの原因
image via shutterstock体重の変化に大きく影響するのは、生理前と生理中のホルモンの変化。体重が増える原因を理解するには、生理のサイクルを知ることが大切です。
「生理が起きる数日前に排卵があります。ホルモンの変動がはじまり、プロゲステロンとエストロゲンは黄体期(排卵の直後から生理の前日までの期間)に増えていきます。それから生理の直前にこれらのホルモンは減っていきます。この急な減少のすぐ前に、体重増加や疲労感のような症状があらわれるのです」と、スヴェッツさん。
生理サイクルにかかわる重要なふたつの女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンの変動が原因といえるわけです(生理前のPMS、月経前症候群も、このふたつが急激に減るためにおこるのです)。ただし、体重にじかに影響するほかのホルモンもあります。
01. ホルモンの変化で身体が水分をためこむようになる
image via shutterstockそんな気がするだけではありません。生理中は実際に身体が水分をためこんで、体重増加につながります。
「甲状腺から分泌されるアルドステロンというホルモンの量が変わるために、身体が水分をためこむようになります。アルドステロンは、腎臓にどれくらい液体を送り込めばよいかといった水分の管理を手伝い、体液を管理しているのです」と、スヴェッツさん。
アルドステロンの量は黄体期に増えて、卵胞期(実際の生理の期間)に減ります。増えるにつれて水分がためこまれます。
(産婦人科分野の専門誌、オブステトリクス・アンド・ガイネコロジー・インターナショナル誌で報告された2017年の研究によると、いちばんたくさん水分をためこむのは生理の最初の日だそう)。
チョーダリさんによると、身体の水分ためこみにはプロゲステロンも大きな役割を果たしています。「プロゲステロンには、体液を血管から周りの組織にもれださせる働きがあるため、水分による体重増加につながります。組織の中に水分がためこまれて、生理のころに一時的に体重が増えるわけです。そして生理が始まって、プロゲステロンが減ると、たまった水分もひとりでになくなります」
生理中の体重増加を防ぐには:逆のように思えるかもしれませんが、生理中にたくさん水分をとるようにすると、身体の水分ためこみを防ぐために有効なのです。
「体液があるべき場所、つまり血管にたくさん入っていれば、身体のシステムに水分を補給しつつ、流し出していくサイクルがスムーズになるのです」と、チョーダリさん。おなかのはりと体重増加をやわらげるには、1日に2リットルの水を飲むとよいでしょう。
02. 食べ物がどうしても欲しい気持ちをおさえている(おさえようとしている)
image via shutterstock女性は生理になると、チョコレートや定番の“マカロニ&チーズ”のようなこってりした物が無性に欲しくなるというのはよく知られています。
でも、生理のころにどうしてこのような強い欲求が起きるのか、まだ科学的にはっきりとは解明されていません。
「正確な理由は不明ですが、プロゲステロンが増えることに関係しているようです。やはりプロゲステロンが増える妊娠初期と同じく、女性は生理前になると、脂肪、塩分、糖分が多い食べ物を食べたくなるのです」と、チョーダリさん。
このような強い欲求はホルモンに(あるいはホルモンの不足に)もともとプログラミングされているものと思うかもしれません。ですが、必ずしもそうとは限りません。
アメリカに住む女性の50%が生理前になるとチョコレートが無性に欲しくなるのですが、外国で生まれた女性で同じ願望におそわれるのは17%だけ(オープンアクセスの科学・医学誌、プロス・ワン誌で報告された最近の研究より)。
つまり、女性が無性に欲しくなる食べ物のタイプは文化的な背景しだいというわけです(製品のマーケティング状況も関係しますが)。
「チョコレートが必要? 身体が要求している? そうかといえば、おそらく違います。塩からいポテトチップスを身体が求めている? こちらも多分そうではありません」とスヴェッツさん。
「身体がこのような食べ物を必要とするのではなく、女性は食欲と疲労感が増すと、気持ちをなだめてくれる食べ物を求めるのではないかと考えられるのです」(スヴェッツさん)。そうして、そんな願望がつみかさなっていきます。
「無性に食べたい気持ちに負けてしまい、生理のころに食事の内容が変わる女性も多いのです。たとえば、砂糖が多くふくまれる食事をとると、血糖値が急激に上下するので、エネルギーもダウンしてしまいます」と、チョーダリさん。
生理中の体重増加を防ぐには:無性に食べたい気持ちを、ヘルシーな食べ物で満足させます。甘いものが食べたくなりそうとわかっているなら、たんぱく質たっぷりの「ピーナッツバター」や「プロテインボール」を作っておきます。果物も冷蔵庫に備えておくのです。どうしてもチョコレートが欲しいなら、少なくともカカオ70%のダークチョコレートに(現実的、リンゴではみたされないときもありますから)
03. 運動をパスしそう
image via shutterstock気持ちを正直にいうと、生理中はなかなかジムに行く気が起きないもの。疲れを感じて、運動しなくなることもあります。
「生理の初めにはホルモンがいっぺんに下がります。ですから、正常な変化のひとつに、エネルギーの低下が起こるのです。それは普通のこと」と、チョーダリさん。
動かなくなるうえに、いつもよりたくさん食べてしまう。そうしたらウエストラインに影響が出るのも当然。運動はパスしたいという気持ちを何とか乗り越えるしかありません。生理中に運動すると、ほかにもよい影響はあります。というのも、PMSや生理痛が軽くなるという研究結果があるから。
それに、生理中でなくても、体重が増えていると感じたら、動くことでしかその気持ちをおさめられないのも確かです。
生理中の体重増加を防ぐには:いつもの運動メニューでなくてもいいですから、毎日必ず少しは動くようにします。
04. 消化器系の調子がおかしい
image via shutterstock「おなかの張りやガスもホルモン(特にプロゲステロン)のせい」と、チョーダリさん。腸自体も生理に影響して、普段と違う感じになってしまいます。
「生理のころには、ホルモンの正常な変動によって便秘になったり、ガスがたまりやすくなったりします。ただ、生理が始まって数日たつと、たいてい解消します」とチョーダリさん。
生理中の体重増加を防ぐには:チョーダリさんによると、便秘などのおなかのトラブルに効くのは、水分をたくさんとること、よく動くこと、そして食物繊維をたくさんとること。食物繊維が豊富な食べ物は次の通りです。
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訳/STELLA MEDIX Ltd.
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