その研究は、アメリカの1万5000人以上が、食べた物やその量など、食生活について自己申告のアンケートに記入するもの。この情報から、平均的な摂取カロリー量とともに、炭水化物、タンパク質、脂肪の主要栄養素がどのように取られたかが割り出されました。
摂取カロリーが極端に変動する人や、1日600キロカロリー以下もしくは4200キロカロリー以上の人は除外されています。
約25年の追跡で、中程度の量の炭水化物(カロリーの50~55%を炭水化物から摂取)を取っている50歳の人は、超低炭水化物ダイエット(同30%以下)を行っている人より4年、普通の低炭水化物ダイエット(同30~40%)の人より2年、寿命が長くなると結論づけられました。だから炭水化物5%が当たり前、という、流行りのケトダイエットをしている人は気を付けた方がよいのでは。
とはいえ、高炭水化物の食生活も危険とされています。中程度の量の炭水化物を取る人は、1年のうちでカロリーの65%以上を炭水化物で取る人より長生きすると推定されているのです。
希望の光としては、食事のタイプで違いが見られたこと。低炭水化物の人で、炭水化物を動物性たんぱく質ではなく植物性たんぱく質に置き換えた人は早期の死亡リスクがわずかに減少しました。
なぜ炭水化物をカットすることが危険なのか
カットしたカロリーはどこか別のところから持ってこなければなりません。その研究の著者らによると、炭水化物をカットした人は、わずかな野菜、果物、全粒の穀物に置き換える傾向があるようです。こうした食材は、病気と戦う植物性化学物質、心臓によい脂肪酸、腸によい植物性の食物繊維、必須ビタミンやミネラルなどを含んでいます。
例えば、ケトダイエットに取り組む人は、より炭水化物を含むからという理由で果物や野菜を避けてしまい、ベーコンのような加工肉、低炭水化物の軽食など、ケトダイエット向きの食べ物に置き換える傾向が。全てのケトフリークがそうではありませんが、時間が経つにつれ似たようなパターンが見られるように。
ケトダイエットを試す前に知っておくべき6つのこと
今人気のケトダイエットを試す前に、その潜在的なリスクを知っておくことが大切。ケトダイエットをはじめる前に知っておきたい5つのこと https://www.mylohas.net/2018/07/171018keto.html?test2018aアメリカ疾病対策センターの2017年の州別報告書によると、推奨量の果物を取っているのは大人のわずか12%で、野菜になるとたったの9%。だから炭水化物を劇的に減らして体重を減らすことができても、身体の別の部分がダメージを受ける可能性があるのです。
再三になりますが、アメリカ栄養学会の公式の方針説明によると、「研究では赤身の肉の食べすぎは病気につながり、果物と野菜で(炭水化物を)置き換えるならそのリスクは低くなる」と示されています。
一方、高炭水化物の食生活では、精製、加工された炭水化物(白いパン、砂糖を含むシリアル、甘いドリンクなど)に傾きがちで、肥満、2型糖尿病、心臓病などの引き金として知られています。
結論:ほどほどがよい
最新のアメリカ保健福祉省の栄養ガイドラインでは、成人女性はカロリーの45~65%を炭水化物、10~35%をタンパク質、20~35%を脂肪で取ることを推奨しています。当然この比率は年齢、性別、運動量によっても変わります。ほどほどにバランスを取ることで長く健康な人生に必要な食べ物を取っていけるのです。
Alisa Hrustic/A Low-Carb Diet (Like Keto!) Could Shorten Your Life, Study Says
訳/STELLA MEDIX Ltd.
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