いま、見た目の彩りや品数に惑わされて栄養バランスがとれている“つもり”になっている若い女性が増えているのだそう。こうした食事は毎日の不調につながっていきます。今回は“つもり食”の落とし穴と10分でできる解決レシピをご紹介します。
体型を気にする女性こそ陥りやすい“つもり食”
スタイル維持のためにサラダを多めに摂ったり、トマトやアボカドなどのカラフルな食材を意識してとり入れたり。ヘルスケア意識の高い女性なら当たり前にやっているこれらのことが “つもり食”につながっているのだとか。
「たとえば、さし色によく使われるトマトは100g(大玉トマトの約半分)で1.0g(※1)、レタスは100g(約1/3個)で1.1g(※1)の食物繊維しかとれません。1日に必要な食物繊維量は成人女性で18g以上(※2)ですので、これだけではまったく足りないことがわかります。食事のなかにさし色感覚で野菜を足すだけでは、不足しがちなビタミン類や食物繊維、鉄分、カルシウムは補えません」(本多先生)
4人に1人が痩せすぎ! 気持ちが不安定にも
調査(※3)によると、20〜30代の働く独身女性は外食率も高く、自炊をしても極端に食べる量が少ないことがわかっています。外食が続くと罪悪感からどこかでプラマイゼロにしようと手軽なチョイスをしてしまいがち。でも、本多先生はこう指摘します。
「痩せたい、太りたくないという気持ちが強く、栄養バランスではなく太りにくい食材ばかりを食べたり、パンケーキなど栄養素の偏った軽食で済ませたりしがちです。でも、こうした食事の影響もあり、冷え性や便秘、倦怠感のある人が多いのも特徴です」(本多先生)
実際、スタイルを気にするあまり20〜30代の働く独身女性の4人に1人(26.1%)が、BMI18.5未満で低体重なのだそう。また、40.8%が朝食を毎日食べておらず、欠食率が高いこともわかっています。さらに、不足しがちな栄養がある一方、カロリーや塩分量はオーバー。過剰摂取になっている場合が多いのだとか。
「栄養の偏りや痩せすぎは、肌荒れにつながったり、気持ちが不安定になったりと、その後の人生にも大きく影響します。いまから食生活を見直してほしいですね」(本多先生)
たんぱく質とビタミン、ミネラルを同時にとるには?
とはいえ、仕事もプライベートも忙しいとき。ヘルシーなもので手間をかけずに栄養バランスをとりたいというのがホンネです。夕食に卵や豆腐、鶏むね肉でたんぱく質を摂っている女性が多い(※4)のもそのあらわれかもしれません。しかしそれでは“つもり食”で不足しがちなビタミン、ミネラルは補えないのです。
そこで本多先生が提案するのが、たんぱく質にビタミン、ミネラルが同時に含まれている「牛肉」や「豚肉」、「レバー」を上手にとり入れること。
「牛の赤身肉はとくに女性に必要な鉄分を効率よく摂取できます。野菜や大豆など植物性食品にも鉄分(非ヘム鉄)は含まれますが、肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄分(ヘム鉄)の方が5〜10倍も効率よく体内に吸収されるのです。また、ヒレやももなどの豚の赤身肉は、糖質のエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1を多く含んでいます。糖質が代謝されないと、カラダのなかに脂肪として蓄積されてしまったり、疲れやすくなってしまうので、甘いものがすきな人や倦怠感がある人にオススメの食材です」(本多先生)
とくに豚の赤身肉は、成人女性に必要な1日分のビタミンB1の推奨量(1.1mg)をたった100gほどで摂れるのだそう。そして過剰になりがちな塩分は、「味つけの仕方を工夫したり、薬味をつかうことで減らせますよ」と本多先生。
さっそく、豚のもも肉と塩分控えめな調味料を使った10分でできるオシャレなワンディッシュメニューをエバラ食品の管理栄養士である菊岡裕子さんに教えていただきました。
ブロッコリーライスで食べる!黄金タコライス
<材料1人分>
豚もも切り落とし肉 75g レタス 1〜2枚(約30g) トマト 1/4個(約50g) アボカド 1/4個(約25g) ピザ用チーズ 適量(約20g) ミックスナッツ 適量(約10g) エバラ黄金の味 大さじ2 サラダ油 適量 ごはん 茶碗1杯分(約150g)[ブロッコリーライス] ブロッコリー 3〜4房(約50g)[ブロッコリーライス]<作り方>
豚肉は一口大に、レタスは1cm幅に、アボカドとトマトは1cm角に切り、ミックスナッツは粗くきざみます。 [ブロッコリーライス]ブロッコリーは耐熱容器にのせ、ふんわりラップをかけて、電子レンジ(500W)で約1分30秒加熱し、冷めたら粗みじん切りにしてご飯に混ぜます。 フライパンに油を熱し、豚肉を炒め、「黄金の味」で味つけします。 器に(2)を盛り、(1)の野菜、(3)を盛り、ピザ用チーズとミックスナッツをのせて、できあがり。<ポイント>
豚もも肉を使うことで脂質のとり過ぎを防ぐとともに満腹感アップ!ビタミンB1による疲労回復効果も。 ブロッコリーを電子レンジで加熱してビタミンCの流出を最小限に。ご飯に混ぜれば無理なくカロリーダウン。 チーズをプラスして不足しがちなカルシウムを摂取。 味つけは「黄金の味」1本でOK。オススメはコチュジャンの辛みが効いた辛口。原料の3分の1がリンゴなので、1食あたりの塩分を2.6gに抑えられます。1つの調味料で味が決まるので、料理が苦手でも失敗がなさそう。しかも、ワンプレートなので後片付けもラクチン。体力が奪われる暑い日にも必要な栄養がしっかり摂れる、うれしいレシピです。
※1日本食品標準成分表2015年版
※2日本人の食事摂取基準2015年版
※3 エバラ食品工業株式会社による「食事と栄養に関する、意識と実態び調査」(2018年3月13日〜16日、3月30日〜4月2日実施。有効回答数719人)
※4同調査による「20-30代の働く女性が夕食で摂取したたんぱく質の種類」(有効回答数238)より、1位 卵(40.8%)、2位 豆腐(26.1%)、3位 鶏胸肉(脂肪分の少ない部位)(21.4%)の順
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