片頭痛は早く治療することが大切。取り組むのが早ければ早いほど、より効果的と言えるでしょう。これから紹介するポピュラーな治療法を知っていれば、もう苦しまなくてもいいんです。
片頭痛の治療法について
片頭痛の治療法には、市販薬や処方薬を飲むことや自然療法、さらには生活スタイルのチェンジまで幅広くあります。
治療法は通常ふたつの種類に分けられます。まずひとつは「予防」で、片頭痛が始まる前に止めるもの。もうひとつは「治療もしくは進行阻止」で、いわばはじまった痛みを止めるものです。
片頭痛にはまだ決定的な治療法がありませんが、多くの人が効果のある方法を見つけています。その治療法は、ひとりひとりの頭痛の原因によって違います。性別、年齢、妊娠中や授乳中かどうか。加えて、片頭痛が起きる頻度、痛みのレベル、片頭痛が始まる時に片頭痛オーラ(閃光や明るい点などが見えること)が起きるかどうか、片頭痛以外の健康状態はどうかなどです。
一刻も早く片頭痛から解放されるには
「治療もしくは進行阻止」には、次のような方法があります。
1. 水を飲んで何か食べる
水分が足りなかったり、食事を抜いたりすると片頭痛が起きることがあります。水をグラスに一杯飲むくらい、大変じゃないですよね? また、空腹が続いているときは何かを少し食べるようにします。
2. 少しだけカフェインをとる
人によってはカフェインを取ると片頭痛を引き起こしてしまいますが、カフェインで片頭痛が止まる人もいます。実際、市販薬の一部にはカフェインが含まれています。でも、眠ることで片頭痛を治めたいときは、カフェインは向かないと覚えておいたほうがいいでしょう。
3. 安らげる場所を作る
片頭痛が起きているときに光や音が気になるなら、暗くて静かな部屋で横になるといいでしょう。ドアを閉めて、ブラインドを下ろしましょう。必要に応じて、アイマスクや耳栓を使います。
4. 市販薬を試してみる
市販薬にもたくさんの種類があります。アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンのような鎮痛薬と、その他の総合薬です。
プロのおすすめ:月に何度も市販薬を飲んでいる場合は、片頭痛についてかかりつけ医に相談しましょう。あまり頻繁に市販薬を使うと、肝障害などの深刻な副作用が起きる危険性がありますし、片頭痛が頻発する原因にもなります。
5. 処方薬を服用する
片頭痛で医師にかかっている人には、すでに痛み止めが処方されているかもしれませんね。処方薬の中にはインドメタシン、トリプタン、エルゴタミン、カフェインを含む総合薬、吐き気止め、オピオイド、糖質コルチコイドが含まれる物があります。もし、片頭痛とともに片頭痛オーラが起きる場合は、医師は特別な種類の薬を処方することがあります。
片頭痛を予防するには?
1か月に4回以上片頭痛を起こす人、1回の片頭痛が12時間以上続く人、市販薬では十分に痛みが治まらない人は、片頭痛の予防を考えたほうがいいでしょう。
1. 薬物治療
アメリカで行われている片頭痛を予防するタイプの処方薬にはいろいろあります。たとえば、心臓の薬(ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬など)、抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)、抗けいれん薬など。さらに、アメリカ食品医薬品局は、最近画期的な手段を承認しました。それは「エレヌマブ」と呼ばれる薬で、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と呼ばれる分子の活動を抑えます。
「神経学界の学者たちは、その効果に興奮しています。臨床試験の結果がすばらしいからなのです」と、神経科医のサンチャゴ・マズエラ・メジャさん(メリーランド州ボルチモア、ライフブリッジ ヘルス病院のサンドラ アンド マルコム・バーマン ブレイン&スパイン研究所)
アメリカでは、おでこや首の筋肉に12週間ごとにボツリヌス毒素A(商品名ボトックス)の注射をする方法も。「慢性的に片頭痛を起こしやすい人に効果的」と、ユタのモラン眼科センターで神経眼科医を務め、片頭痛に関係する光への過敏症を専門的に治療してきたブラッドリー・カーツさん。
月経周期と片頭痛が関連している女性の場合は、ホルモン療法が効くこともあります。
2. ストレスをコントロールする
ストレスをコントロールする方法には、運動、深呼吸、漸進的筋弛緩法、バイオフィードバック、瞑想などがあります。ヨガは、これらのアプローチをいくつか合わせて行える方法のひとつです。
3. 片頭痛を引き起こすもとを取り除く
医師たちは、よく片頭痛日記をつけることをすすめています。なぜなら、それにより片頭痛のきっかけが見つかるかもしれないからです。何時に片頭痛が起こったか、どれくらいの間続いたか、前の晩どのように眠ったか、その日いつ何を食べたり飲んだりしたか、その日どんな感情を抱いたかなどを書きとめるようにします。
片頭痛のきっかけとして多いのは、ある特定の種類の光を浴びること、特定の食べ物・飲み物・添加物を取ること(熟成したチーズ、アルコール、燻製肉、カフェイン、人口甘味料、チョコレート、塩辛い食べ物または加工食品、グルタミン酸ナトリウムなど)、食事を抜くこと、脱水症状になること、睡眠不足もしくは寝すぎ、感染症、ある特定の匂い(香水、シンナー、タバコの副流煙)、うるさい音、薬をやめること、天候の変化(10度以上の温度変化、気圧降下)などがあります。
日記をつけることで、食事の内容を調整したり、早く寝たり、色のついたメガネやコンタクトレンズを使ったりと、生活スタイルを変えてみようと思うかもしれませんね。
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4. 通常の治療以外を試してみる
鍼治療、マッサージ療法、認知行動療法も片頭痛の治療法になりえます。医師がマグネシウム、コエンザイムQ10、ビタミンB2、B12といった、ある特定の栄養素のサプリをすすめることもあります。バターバーというハーブが治療に用いられることもありますが、最近は安全性が問われています。
5. 神経系に効果のある医療機器も
アメリカでは、脳の活動を抑える機器を使う方法もあります。たとえばセファリーというアイテムがあり、これは1日に20分間ほどおでこの上に装着します(transcutaneous supraorbital nerve stimulation=経皮的眼窩上部神経刺激、略してとも呼ばれています)。ほかに、スプリングTMS(略してsTMS)というアイテムもあります。これは頭の後ろにつける磁石のようなもので、細かい波動を出します。ほかにガンマコアというアイテムもあります。これは非侵襲性の迷走神経刺激を用いるもので、首にジェルを塗り、その上から90~120秒間ほど当てます。
結論:あきらめないで!
「現在ある治療法は、一部の人には効果があります。でも悲しいことに、実際にはたくさんの人が片頭痛に苦しんでいます。しばしば初めて片頭痛を起こしても治療しない人や、病院に行くのを途中でやめてしまう人もいます。そんな人は片頭痛を受け入れて、ふさぎこんでしまうのです」と、アン・アーバーにあるミシガン大学の頭痛・神経性ペインクリニックで部長を務めるウェイド・クーパーさん。
でも、そうする必要はありません。今は昔よりも多くの治療法があります。そして、もし1つの治療法が効かなくても、あなたに合ったものが見つかるまで、ほかの方法を試せるのです。かかりつけの医師に治療法を相談することをためらわないほうが得策。神経科専門医に受診することも考えられます。
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