コピーライター・CMプランナーとして活躍し、現在は「言葉の力」を身につけるための講演・企業研修などに取り組んでいる川上徹也さん。著作『1冊のノートが「あなたの言葉」を育てる』によると、「言葉の力」は3つのプロセスを通して木を育てるように鍛えることができるのだとか。
言葉の土台作り「日気ノート」
仕事や日常のコミュニケーションで重要なのは、まず誤解なく正確に相手に伝わるということです。伝えたつもりが正確に伝わっていないのは最も困ります。そして伝わった上で、相手が行動したくなる言葉になっていることも重要です。以上のような目的を実現するためには、できるだけシンプルかつ強い言葉を使っていくことが必要になってきます。
(『1冊のノートが「あなたの言葉」を育てる』18〜19ページより。cafeglobeより引用)
日々の生活のなかで気づいたことを書き記すことは、言葉の種を拾ってまくことに似ています。そうした気づきを記録する「日気ノート」をつけることで、言葉を育てる土台作りができるのだとか。ポイントは、「どんな言葉の木を育てたいのか」を自分のなかで明確にしておくこと。
自分の軸を確立する「内幹ノート」
どんな職業でもどんな立場でも、「軸」を明確にして自分の強みを発信することはきわめて重要といえるでしょう。
その「軸」を探すためのノートを「内幹ノート」と名付けた著者は、自分の内なる「軸」を考えるために、自分の「ウリ」を、一言や一行でいえるように書いて模索したといいます。自分を表現する研ぎ澄まされた一行を導き出すために、まず自分の過去をノートに書き出して棚卸し。次に、現在の自分を分析して、自分の強みを導き出したのだとか。この軸は、木で言うと「幹」と言えそうです。
(cafeglobeより引用)
自分の「軸」がはっきりしている人の言葉には、力があると感じませんか? 自分の「軸」を探すためには、まずこれまでの自分を振り返ってみましょう。現在の自分の「軸」が明確になることで、木にたとえると「幹」が育ち、ぶれない言葉を発信することができるようになるのです。
オリジナルのネタを作る「出言ノート」
そのためにまずすべきことは、オリジナルの「ネタ」の数を少しずつでも増やしていくことです。そうすることで「自分の言葉」で語れるようになります。(中略)ゼロからオリジナルの言葉を作ろうとすると、肩に力が入って逆に「自分の言葉」から遠ざかってしまう。もともとは借り物の言葉でいいのです。それを自分の中で咀嚼して消化してから、違う形にしてアウトプットすれば「自分の言葉」になると考えましょう。
(『1冊のノートが「あなたの言葉」を育てる』125〜126ページより引用)
「日気ノート」と「内幹ノート」をつけ、言葉の木が育ってきたら、次は「枝葉」を作ってアウトプットに生かす。「日気ノート」の蓄積をベースに、オリジナルのネタに変換するための「出言ノート」を書いていくのです。
ノートを活用して「自分の言葉」を大きく育てるコツ、なんとなくつかめてきましたか? 毎日コツコツ積み重ねれば、やがて大きな実りに。さっそく、お気に入りのノートを広げてトライしてみてください。