2004年から現在にわたって、オーガニック製品とホリスティックなセルフケアを提案し続けるSHIGETA。創業者であるCHICO SHIGETAさんは、パリを拠点に生活されています。最近では、双子の女の子を出産され、彼女のライフスタイルも注目を集めています。CHICO SHIGETAさんと一般社団法人 More Trees 事務局長 水谷信吉さんとのトークショーに足を運んできました。

遠くて近い日常にある、森と私たちの暮らしの関係とは?

テーマは、「森と私たちの暮らし」について。都会に暮らしていると、ついつい森は遠くにある自然としてとらえがちですが……水谷さんはこう切り出します。

水谷さん「カップラーメン、スナック菓子、ラクトアイス、チョコレート……。 これらの製品に共通する原料は何だと思いますか?それは植物油脂。パームオイルとも呼ばれています。パームオイルは「油やし」から搾られますが、油やしは熱帯でしか育ちません。油やしを植えるためには、焼け畑をして、さら地にしなくてはいけません。畑を焼くときに出る大量の煙は、シンガポールまで届いているという話もあるんですよ」

CHICOさん「そうだったんですね……知りませんでした。栽培は、主にインドネシアやマレーシアで行われているのですが、違法な森林伐採がされているケースもあると聞きます。また、プランテーションには油やしのみを植えるため、畑のダイバーシティが失われてしまい、水質汚染や農園で働く人の健康被害などを引き起こしているとも」

環境に配慮したパームオイルを見極めて

水谷さん「熱帯雨林に住んでいたオランウータンは、森林伐採で住む場所を失っています。私たちは、パームオイルそのものを否定するつもりはありません。しかし、かしこく使うということはとても大切だと思います。日本ではほとんど知られていませんが、パームオイルには認証団体がありラベルがあります。『RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil/持続可能なパーム油のための円卓会議)』と呼ばれる非営利組織で、WWFを含む7つの団体が中心となり設立されました。RSPOの認証は、環境に配慮した持続可能なパームオイルにのみ与えられます」

CHICOさん「ラベリングは、ひとつの目印になりますね」

水谷さん「ぜひ、植物油脂のラベリングについて知っていただきたいです。具体的には、サステナビリティから逸脱したものは買わないということもひとつのアクションかと思います。多くの方が関心を持つことで、産地へのインパクトが少しずつでも緩和されていくのではないかと期待しています」

CHICO SHIGETAさんのこれから

話題は、CHICOさん自らディレクションを務めるウェブマガジン「Spring Step(スプリング ステップ)のスタートについても。

「SHIGETAを12年続けていく中で、ヨガをする人は増え、デトックスといった言葉が広まる一方で、まだまだオーガニックの真価が伝わりにくいなと感じることがあります。 今は、世界的にも『セルフ・セントラルな時代』と言われていて、自分が心地よいものを取り入れて、害のあるものは取り入れないという動きがあります。自分を満たし、自分と調和をとることが、いずれは自分と他者の調和につながり、結果的には社会を変えたいという考えにも繋がるのではないかと思います」

CHICOさんの活動は、これからも私たちにたくさんの気付きをもたらしてくれそうです。

SHIGETA

RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/07/170820palm_oil.html