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字幕アリで初心者も安心! 笑いあり涙ありの、大人のための伝統人形劇「文楽」とは?

2012/11/09 13:00 投稿

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「人形劇」といえば、チェコのマリオネット、フランスのギニョールなどが有名ですが、日本には、世界に類のない高度な人形芸能として、ユネスコの世界無形文化遺産に登録された「文楽」があります。

さて、今回は「文楽の世界に入門」ということで、突然ですが……

■文楽クイズ!※()に入るものを考えてみてください

1)文楽は( )業の技といわれる
2)文楽は約( )世紀前からの歴史をもつ
3)文楽は( )人で人形を操る

さて、みなさん、わかりましたか?
それではクイズの解説とともに文楽のいろはをご紹介します。

文楽は、「三業の技」といわれ、太夫、三味線、人形遣いの三つの芸能が融合し生まれました。義太夫節の創設者、竹本義太夫が、近松門左衛門とともに、大阪道頓堀の西寄に、竹本座を開場。同世代の庶民の恋愛や事件を描く『曽根崎心中』のヒットのおかげで広く人々に親しまれるようになった、約300年にわたる歴史をもつ芸能です。

■三つの芸とは?

●「太夫」は、全登場人物の台詞、情景や状況描写を一人で語りわけ舞台を進行。肩衣と袴姿で舞台に登場し、時には勇敢な武士、時にはしっとりとした男女や親子の情愛などを描きます。

公演の全ての内容が描かれた床本には、太夫が自筆で、義太夫節特有の節付けや息継ぎの場所などを記載しています。

●「三味線弾き」は、太夫の語りを導き、太夫と表裏一体になり文楽の舞台の進行を支える重要な役割。場面ごとの情景や人物描写、感情などを弦の音色と抑揚緩急で表現します。

文楽三味線の譜面は西洋音楽の楽譜と違って、太夫の語りが書かれた床本に、三味線の糸をおさえる場所をイロハ文字で記したもの! なんと、三味線弾きは、太夫の語りも音も全て暗記しているので、1時間以上、何も見ずに演奏できるのです。

●文楽人形の最大の特徴は、一体の人形を3人で操る「三人遣い」。頭と右手を動かす「主遣い」、左手を動かす「左遣い」、足を動かす「足遣い」。

この3人の遣い手が息をぴたりと合わせて、人形を操ります。

人形浄瑠璃の成立当初は一人遣いでしたが、江戸時代半ばに三人で一体の人形を遣うようになりました。

人形の首は、性別、性格、年齢などにより使いわけており、首が決まると、化粧が施され、人形は瞬く間に生きた顔になります!立役(男性)は男らしく、女形(女性)は色気のある表情。目、眉、口、首、手足(手足は、実はヘチマでできています!)のわずかな角度の違いによって、人形の表情は大きく変わります。人形遣いは、役柄の性格や心情を理解し、人形と一体化して喜怒哀楽の豊かな表情をつくることが求められます。

…というわけで、
答え合わせ!
1)三業の技
2)三世紀(300年)前
3)三人
正解は……3つとも「三」でした!

■舞台機構

床、盆、手摺・・・聞きなれた単語ですが、文楽では特有の意味があります!
舞台上手にせりだしている太夫と三味線弾きが演奏する場所を「床」。
床の中央にある小さな廻り舞台のようなもので、太夫と三味線弾きが、この上にのり、くるりと廻って登場・退場する「盆」。人形遣いの下半身を隠し、客席から人形の足が地面についているように見せるための装置を「手摺」といいます。

■文楽入門!文楽公演情報

興味はあるけれど、文楽は初めてみるので敷居が高そう……そんな方向けに、「12月文楽鑑賞教室公演」をご紹介します!

演目は、文楽を代表する名作「靭猿」「恋女房染分手綱」。オペラのように字幕表示があり、プログラム・文楽読本が無料で配られるので、ストーリーがわかりやすくなっています。

さらに、太夫・三味線・人形、それぞれの世界を実演を交えて紹介するパート「文楽の魅力」もあり、初めて文楽を鑑賞する方も気軽に楽しめるよう工夫がこらされています。チケット料金も、3,800円と、お手頃価格。

文楽のテーマは、親子愛や夫婦愛、庶民の生活、恋愛など。時代を超え、老若男女に感動を与える物語は、テレビドラマや映画を観るような感覚で、気軽に楽しむことができます。

とっつきにくいと思われがちな「伝統芸能」に触れる楽しみとは、時代とともに変化する部分と不変の部分がある「人間の心の核」に迫る楽しみなのかもしれない、と思います。
芸術の秋、文楽を楽しんでみませんか?

「12月文楽鑑賞教室」【社会人のための文楽鑑賞教室】

日時:2012年12月7日(金)・14日(金)18時30分開演(20時50分終演予定)
演目:「靭猿(うつぼざる)」 「解説 文楽の魅力」「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」
会場:国立劇場 小劇場
料金:3,800円(全席一般)

詳細はこちら>>  お申し込みはこちら>>

text by神森 真理子(かみもり・まりこ)
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パリ大学で映像・アートビジネスの勉強をし、松竹(株)に入社。ベルギー・フランス生活を通じ、「日本文化の活性化」という生涯の目標を見出し、現在は日本文化の伝道師として、日本文化・食・アートの魅力を発信するイベント企画・プロデュース・執筆・講演などを多数手掛ける。日本を学ぶ大人の学校「和塾」世話人。+ART CLUB/「食とアートの会」主宰。「銀座なでしこ会」幹事。ワインコミュニティ「OWL」主宰。フードアナリスト1級・ワインエキスパート・利酒師。【ブログ】
" target="blank">神森真理子の『食を!アートを!日本文化を!楽しもう』。【連載】日本酒を楽しむスマホマガジン「
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