花々が咲き誇る春から、新緑がまぶしい季節になりました。そよそよと吹く風が、初夏の清々しさをはこんできます。

暮らしに活かす二十四節気「立夏」の過ごし方

立夏(りっか)
・毎年5月6日頃
・太陽と地球の関係:45度

今日(2018年5月5日)は、二十四節気の「立夏」です。

暦のうえでは夏のはじまりを意味します。新緑が目立つようになり、爽やかな陽気が続くせいか、「どこかへ出かけたい」「散歩でもしてみようかな」といった気分になりませんか? だとしたら、それは心身が自然のリズムと調和している証拠。日ごとに木々の緑が濃くなり、万物が成長する立夏の頃は、私たちの体と心にもエネルギーが満ち溢れ、活動的になるからです。

自然のリズムにあわせた養生法において、立夏の時季は心身ともにのびのびと、気持ちよく体を動かし、汗を流して発散することをよしとします。

そこでおすすめしたいのが森林浴です。森や緑豊かな公園の中を、積極的に歩いてみましょう。キラキラと降り注ぐ木洩れ日、フレッシュな緑の香り、ひんやりとした新鮮な空気。想像するだけで、気持ちがいいですよね。

実際、樹木が発散している揮発性の化学物質・フィトンチッドは、リラックス効果や免疫細胞を活性化させるなどの働きがあるといわれています。森の中を歩くだけで、活力が与えられ、気力を回復させる効果があるというわけです。

アロマを使って森林浴気分を自宅で楽しむ

とはいえ、仕事や日々の暮らしがあると、緑豊かな場所まで出かけるのが難しいこともあるかもしれません。また、屋外だと紫外線も気になります。そんなときは、アロマを活用しましょう。

ヒノキやスギ、パイン(松)、サイプレスなどは、室内で森林浴気分が味わえる代表的なアロマ。ディフューザーで拡散すれば、爽やかですっきりとした香りが部屋いっぱいに広がって、気分は森の中。短時間でリフレッシュできますよ。

また、ハンカチに精油を1~2滴たらしておくと、そのハンカチを使うたびにほんのりと森の香りが漂い、化粧室でも気分転換できます。

菖蒲湯に入って邪気や厄を払う

立夏の頃の行事といえば、「端午の節句」が有名です。「端」には「初め」という意味があり、端午とは月初めの「午(うま)の日(五日)」をさします。本来は5月に限りませんが、5月5日は奇数が重なって縁起がいいとして、節句の日になりました。

鯉のぼりや武者人形を飾って、男の子の健やかな成長を願う日として知られていますが、もともとは体を清めて邪気を払う日。香り高い菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)の束で軒先や屋根を飾り、邪気を払って病気を遠ざけようとしたのだそう。5月5日に「菖蒲湯」に入る習わしも邪気や災厄払いからきていて、入浴すると1年間健康でいられるといわれています。

ところで、菖蒲と聞くと、紫色の花を咲かせた「花菖蒲」や「アヤメ」を思い浮かべる人が多いと思います。ですが、花菖蒲やアヤメはアヤメ科の植物。湯船の入れるのはサトイモ科の菖蒲で、まったくの別物です。立夏の頃にお花屋さんをのぞくと、細長い剣のような形をした葉っぱの束が売られているのを見かけます。それが、サトイモ科の菖蒲で、湯船に入れる植物です。ご自宅で菖蒲湯を楽しみたいときには、間違えないようにご注意を。

次に巡ってくる二十四節気は、「小満(2018年5月21日)」です。

イラスト・カイフチエリ

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