ダイエットを助けてくれる食材とは?
ハーバード大学の研究者が8年かけて27000人の食事を調べたところ、全粒穀物を毎日食べた人のほうが、精製された穀物を食べた人に比べて1キロ以上体重が少なかったといいます。ただし、パッケージに「全粒穀物」や「ホールグレイン」と書いてあったとしても、必ずしもヘルシーなわけではありません。これは使っている粉のうち51%が全粒粉であれば、このような表記ができるからです。選ぶときは、裏面表示を見て、使われている粉すべてに「全粒」とあることをチェックしましょう。
玄米
一般的な玄米には塩分がほとんど含まれず、ミネラルと食物繊維がとても多く、白米のかわりに食べるとよいとされています。
調理済み1カップ分(195g)、218カロリー、食物繊維4g、タンパク質5g、脂質2g、炭水化物46g、マンガン107%、マグネシウム21%、ビタミンB6 15%。(※ %は1日の推奨摂取量のうち摂取できる割合)
キヌア
南米由来のキヌアには、玄米の2倍以上のタンパク質が含まれていて、ダイエットに効果のある高タンパク質な食品のひとつです。さらにキヌアに含まれるタンパク質は必須アミノ酸がすべて含まれているため、筋肉や筋組織をつくるのにもってこい。タンパク質と食物繊維は豊富で、含まれている脂質も良質なのに炭水化物は比較的少ないため、血糖値が上がりにくいのも特徴です。
キヌアのやわらかくて少しナッツのような風味で、味にうるさい人でもおいしく食べられます。しかも、お米のように食べられる上に15分で調理できる優秀な穀物です。食べ方は少なくとも20通りもあり、朝食、ランチ、夕食、デザートやおやつにも食べられて、一日中おなかを満たし手くれます。
調理済み1カップ分(185g)、222カロリー、食物繊維5g、タンパク質8g、脂質4g、炭水化物39g、マンガン58%、マグネシウム30%、葉酸19%。
オートミール
オートミールは5分程度で調理ができて、食物繊維を手軽にとることができます。オートミールは心臓病や高血圧、2型糖尿病のリスクを下げてくれる上に、筋肉を作るためのタンパク質も含んでいます。ただ、味つきのオートミールには砂糖が含まれているので注意しましょう。プレーンなものを選んで、甘さはフルーツで足して。オーバーナイトオーツは朝にぴったりのレシピです。寝ている間にできあがるので、忙しい朝も困りません。
調理済み1カップ分(234g)、166カロリー、食物繊維4g、タンパク質6g、脂質4g、炭水化物32g、マンガン68%、セレニウム18%。
スティールカットオーツ
これは、オーツ麦のもみがらをとり、そのまま割って、押しのばされていないものです。ナッツのようで食べ応えもあるけれど、一晩水につけておかないと調理に30分以上かかるのが難点。でも時間はかかるけれど、健康上の効果もあるので、その価値はあるかもしれません。スティールカットオーツを私たちのおなかの酵素は消化できないので、グルコースの分泌がゆるやかになるからです。そのため、トロント大学で栄養と肥満の研究をしているデビッド・ジェンキンス博士は、スティールカットオーツは糖尿病のリスクがある人には特によいと話します。
調理していない状態で1カップ分(80g)、300カロリー、食物繊維8g、タンパク質10g、脂質5g、炭水化物54g、マンガン27%、葉酸41%。
ミューズリー
スイス生まれのミューズリーとは、食物繊維とタンパク質たっぷりのオートミールにドライフルーツやナッツをあわせたものです。1カップで300カロリーあるけれど、ビタミンやミネラルが豊富で食事にもなってくれます。
1カップ分(85g)、289カロリー、食物繊維6g、タンパク質8g、脂質4g、炭水化物66g、ビタミンB6 52%、ビタミンB12 31%、ビタミンE 31%。
グラノーラ
グラノーラも栄養素がたっぷり。でも残念ながら市販のものは1食分で砂糖がクッキーより多く含まれています。もし買うなら、シリアルとグラノーラの中間のものにしてみて。それか、自分でヘルシーなグラノーラを作ってみましょう。焼きリンゴにグラノーラを乗せたものなら10分でできて朝食にもデザートにもなります。
1カップ分(122g)、597カロリー、食物繊維11g、タンパク質18g、脂質29g、炭水化物65g、マンガン247%、ビタミンE 68%、リン 56%。
精白された大麦
精白された大麦は、スープの具になるだけでなく、スウェーデンの研究によると朝食に食べると、昼食時に血糖値が上がるのを44パーセント、夕食時に上がるのを14パーセントも抑えてくれるとか。血糖値が急激に上がるのを防ぐことができれば、エネルギーレベルも安定して、食欲も安定します。朝食に食べるなら、大麦とクルミにメープルシロップをかけて。
調理済み1カップ分(157g)、193カロリー、食物繊維6g、タンパク質4g、脂質1g、炭水化物44g、マンガン20%、セレニウム 19%、ナイアシン16%。
カムート
このデュラム麦の親戚、カムートは、古代エジプトの王が食べていた物だといわれてきました。心臓の健康にもよい飽和脂肪酸が他の穀物よりも多く、現代では玄米のかわりとして食べられています。さらに、麦よりタンパク質が40%も多いのです。特にパレオダイエットをしている人におすすめの食材です。
調理済み1カップ分(172g)、251カロリー、食物繊維7g、タンパク質11g、脂質2g、炭水化物52g、ナイアシン24%、チアミン14%。
テフ
エチオピアの公用語のアムハラ語では、テフは「失われた」という意味だそう。これはテフがとても小さくて落としてしまうと、文字通り失われてしまうためだとか。グルテンフリーな穀物のひとつで、セリアック病にはおすすめの穀物です。
調理済み1カップ(252g)、255カロリー、鉄分10g、脂質1g、炭水化物50g、チアミン31%
ファロ
エジプト人やイタリア人が大昔からよく食べているこの小麦の一種は、タンパク質や食物繊維が玄米の二倍含まれている上に、カルシウムも鉄分も含んでいて、必要な栄養素はほとんど入っているといっても過言ではありません。ニューヨークのレストラン、Scarpettaのシェフ、スコット・コナントは滋味深い味や歯ごたえは他にはない、とファロについて説明します。コナントさんは、ファロをスープやシチューに入れたり、ローストした野菜と一緒にサラダにしたり、ピラフやリゾットをつくるときにお米のかわりに使ったりすると話します。
肉類をカットしているときもファロをかわりに食べれば、タンパク質や玄米の2倍の食物繊維もとることができます。
調理済み1/2カップ(60g)、100カロリー、食物繊維4g、タンパク質4g、脂質1g、炭水化物26g。
ソバ
まさに栄養の宝庫のソバ。たったの28グラムで食物繊維3グラム、タンパク質4グラムとることができる上にミネラルもたっぷり入っています。
乾燥したもの28g、96カロリー、食物繊維3g、タンパク質4g、脂質1g、炭水化物20g、マンガン18%、銅15%、マグネシウム16%。
キビ
アジアでよく食べられるキビは小麦と同じくらいタンパク質を含んでいるけれど、グルテンフリー。さらにビタミンB群が豊富で、カルシウムや鉄も含んでいます。肉のかわりにキビとオリーブやドライトマトを使ったバーガーをつくってみても。また、ピーナツバターとキビでお菓子も作れます。
28g、106カロリー、食物繊維2g、タンパク質3g、脂質1g、炭水化物20g、マンガン23%、銅10%、ビタミン5%。
ブルグル
この全粒穀物は中東料理でよく使われるデュラム小麦のひきわりです。軽いナッツのような風味があり、食物繊維やミネラルの宝庫です。また、米やクスクスのかわりにもなります。
28g、96カロリー、食物繊維5g、タンパク質3g、炭水化物21g、マンガン43%、マグネシウム11%。
コーンミール(全粒で黄色タイプ)
乾燥させたトウモロコシを挽いて作ったコーンミールは、ここで紹介している麦やそれ以外の穀物に比べると栄養価は多くはありません。でも、南部の料理に欠かせない材料で、マグネシウム、セレニウムやチアミンが豊富です。朝食やデザートにもおすすめのブルーベリーとライムのコーンミールマフィンなどにしてみて。
1カップ分(28g)、101カロリー、食物繊維2g、タンパク質2g、脂質1g、炭水化物22g、マンガン9%、チアミン7%、セレニウム6%。
Joel Weber and Mike Zimmerman/14 Carbs That Will Help You Lose Weight
訳/Noriko Yanagisawa