お財布はトイレと同じくらい汚い!?
思わずそのまま指でぬっているけれど、手やリップバームの容器についた、バクテリアやウィルスや目に見えないなにかが心配になったことはありませんか?
コロンビア大学で感染病の研究を行うエレイン・ラーソン博士は、「リップバームに抗菌作用のある材料が入っていたとしても、容器内での雑菌の繁殖はふせげるけれど、指についたバクテリアからは守れない」と話します。
ジョージワシントン大学の皮膚科医、アダム・フリードマン医学博士によると、ドアノブや手すり、携帯電話をさわっただけでも、レンサ球菌や黄色ブドウ球菌が手につく可能性があるそうです。黄色ブドウ球菌は肺炎、レンサ球菌は咽頭炎、流行性結膜炎や髄膜炎、そしてひどいときは人食いバクテリア症になることもあるそうなので注意しましょう。
「もしリップバームをお財布に入れているのなら、お財布はトイレと同じくらい汚いので、そのうちカゼを引いたり、おなかが痛くなったりするかもしれない」とフリードマン医学博士は話します。そして、こういった感染症にかかるのは時間の問題だとも言い、リップバームを使うときはよく手を洗ってからにしたほうがいいとアドバイスします。
ラーソン博士も、合理的に考えても指をリップバームにつっこんでから口をさわるのは決してよいものではないと言います。
今までは専門家も公共のものについたバクテリアはすぐに死滅すると考えていましたが、2013年の『Infection and Immunity』の論文によると、バクテリアは生きているものに寄生しなくても数週間から長い場合は数ヶ月も存在し続けることが分かりました。
フリードマン医学博士によると、リップバームに含まれる材料にはバクテリアが生息するのにぴったりの環境になるものもあるそうです。つまり、リップバームを長く使えば使うほど、なにかからだに悪いものがついてしまう可能性があがるということです。
リップバームはスティックタイプにするタイミングかもしれません。
Markham Heid / How Bad Is It To Apply Lip Balm With Your Fingers?
訳/Noriko Yanagisawa