建築デザインの雑誌の最新号に載っていた、多肉植物を使ったディスプレイが素敵だった!最近はウェディングのブーケとしても多肉植物は人気がある、そんな憧れの気持ちはよくわかります!

美しい多肉植物を上手に育てるコツ5

しかし、がんばって世話しているのに、スノージェイドの葉がぽろぽろ落ちる、気を使って水やりしていたはずのセダムもしなびて枯れちゃった……ということはありませんか?

丸くてかわいらしいセンペルビウムも、そんなに育てるのが大変なの? 答えは、たいていの園芸関連の質問への答えと同じく、「場合による」です。

よく言われている、多肉植物は簡単に育つ、というのは必ずしも真実ではありません。もちろん、簡単に育てることはできるのですが、そうするには考え方を少し調整する必要があります。

砂漠を想像してみてください。太陽の光がカンカン照り、たまにザーッと土砂降りの雨、昼と夜では劇的に気温が違う。これと同じようにやれば、うまくいくかも。

ビギナーがやりがちなよくある5つの間違いと、美しい多肉植物を上手に育てるコツをみていきましょう。

01.日光があまり射さない場所に置いてしまう

多肉植物が本来生育している自然環境の日差しを室内で再現しようとするのは、おそらくもっとも難しいこと。一般的な観葉植物なら、もう少し簡単です。

観葉植物の多くは熱帯のジャングル原産なので、日が射したり陰ったりという室内の環境にも適応してくれます(熱帯の森林の上を太陽が移動する状況と似ているからです)。しかし、灼熱の太陽の下で12時間も耐えられる多肉植物を、東向きの窓辺に置くのは失敗のもと。

対策としては、できるだけ一番日が当たる南向きの窓辺を選びましょう。どの窓も別の方角を向いているなら、アロエのような、比較的丈夫な多肉植物を育ててみては?。

02.水やりが不十分

チワワ砂漠は年間降水量が200ミリ強で、それは私たちが暮らす緑の多い地域にくらべればバケツの中の1滴といった微々たる量。しかし砂漠では、雨が降るときには激しく降ります。

砂漠原産の多肉植物を満足させるには、本来の生育地の雨の降りかたを真似してみて。ちょろっとではダメ。栓をひねってあふれる出るくらい水をあげてください。すべての多肉植物(ついでに言うとすべての植物)は、植木鉢の底から流れ出るまでたっぷり水をやるのがポイント。多肉植物の場合は、土がからからに乾いてから水をやるようにします。

03.一般の草花の培養土を使っている

シダからカシワバゴムの木まで、たいていの鉢植え植物は、あらゆる種類の植物に適した一般的な培養土に植えられて販売されています。問題は、多肉植物は地上でもっとも過酷な環境でも耐えられる性質なので一般的な培養土ではダメ、ということ。

多肉植物を家に持って帰ってきたら、土を変えましょう。植木鉢の土の半分にパーライトや軽石のような無機系の土壌改良剤を混ぜた用土なら、水はけがかなりよくなり、栄養分も低くなるので、アンデス山脈のような乾燥した高地原産のものから、デスバレーのような灼熱の低地原産のものまでが、多肉植物にぴったりです。

04.ひとつの鉢に密集して植わっている

多肉植物は、小さな鉢にかわいらしくぎゅっとたくさん詰まった状態で販売されていることが多いのですが、ほとんどの植物はこうしたアレンジに向いておらず、多肉植物もまた例外ではありません。過密状態は、かびの繁殖や害虫の発生の原因となります。

またもうひとつの問題は、いくら多肉植物は養分が少なくても育つとはいえ、やっぱり栄養や水は必要で、密集しているとそれらが足りなくなる場合があること。ぎっしり植わったアレンジを手に入れたときは、注意深く間引きをして、株の間に少し空間をつくってあげてください。

05.非現実的な種類を育てようとする

巨大なサボテン、サグアロを室内で育ててみたいという気持ちはわかりますが、絶対にやめてください! いくつかの野生の植物は、どんなに花がかわいかったり、形が面白かったりしても、人の手には負えません。かわりに、家の窓辺でもすこやかに育ってくれる小さくて丈夫でかわいい多肉植物でがまんしましょう。室内があまりよい環境でないなら、クラッスラ属を試すといいでしょう。観葉植物のサンセベリアと同じように丈夫に育ちます。トゲのある植物を探しているなら、マミラリア(イボサボテン、上の写真)がおすすめです!

モリー・J・マーカンドは、ニューヨークのキャッツキル山地に住む、園芸家・小規模農家・植物学者・ライター。アカデミックな経歴を生かし、自然について熟慮した記事を執筆している。オフィシャルサイト:mollyjmarquand.com

Molly Marquand/5 Mistakes You’re Making With Your Succulents (And How To Grow 'Em Right)

訳/Maya A. Kishida

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