実際、Sain et Naturelによれば、アメリカの医療関係者には、編み物をアンチ・ストレスのひとつと考える人も少なくありません。
ニューヨークのカブリーニ医療センターは、重度で痛みを伴う治療を受けなければならない患者に(編み物を)勧めています。また、ハーバード医学スクールのハーバート・ベンソン教授は、編み物は、慢性的疼痛をやわらげ、高血圧を軽減し、不眠の改善に効果的であると説いています。
(「Sain et Naturel」から翻訳引用)
フランスのジャーナリストであるイネス・ペレは、そのブログの中で、撮影中のストレス軽減のために、編み物に魅せられた女優として、ウマ・トゥルマンや、ジュリア・ロバーツ、シャーロン・ストーン、スカーレット・ヨハンソン、また俳優のラッセル・クロウやライアン・ゴズリングを挙げています。
編み物でマインドフルネスも日常の家事の単調作業がマインドフルネス効果をもたらすということは、以前から言われていますが、編み物のリズムもまた同様の効果を生むのでしょう。
それに加えて、毛糸の手触りや、色の組み合わせを見たり想像したりすることで、五感へも心地よい刺激を得ることができます。
編むことは、視覚と触覚への喜びとも関連します。
(「Sain et Naturel」から翻訳引用)
そうして、忘れてはいけないのが、最後には何らかの作品が残る、つまり、達成感ももたらせてくれるという点です。
ライアン・ゴズリングが言うように、この活動の最後には、美しい作品を得ることができます。
(「Totalement Inès Peyret」より翻訳引用)
言ってみれば、一石三鳥をもたらす「ヨガとしての編み物」。じわじわと編み物人口が増えているのも当然なのかもしれません。フランスでは、これまで、編み物というと、おばあちゃんの専売特許という認識で、趣味に挙げる人には滅多に出会うことがありませんでした。
けれども、ここ最近、気をつけて見てみると、本屋の「心の健康」コーナーに、瞑想や塗り絵の本と並んで、編み物の本が置かれているではありませんか。
いつの間にか、トレンドになりつつある編み物。夜が長く、かえって手持無沙汰なこの季節。安眠のためにも、うん十年ぶりに編み針に触れてみようかなと、私も思案中です。
[Sain et Naturel ,Totalement Inès Peyret]
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