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世界で唯一温泉に入るニホンザルを間近で見られる場所へ

2017/12/28 23:00 投稿

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「外国人観光客が日本で訪れたい場所」の上位にいつもランクインしている意外な場所をご存知ですか?それが長野県の地獄谷野猿公苑です。地獄谷野猿公苑は、世界で唯一温泉に入るニホンザルを間近で見ることができる場所

この公苑は、長野県の北部にある横湯川の渓谷にあります。切り立った崖に囲まれ、源泉が絶えず湯気を上げている光景に、かつて人々はこの地を地獄谷と呼んでいたそう。標高850mに位置する地獄谷の冬は厳しく、1mを越える雪に覆われ、最低気温が-10℃を下回ることもしばしば。山深い場所にあるのと、冬はとても厳しい環境ということもあり行くのも一苦労です。

サルも厳しい寒さゆえに温泉に入るので、やはり真冬に行かないとサルの入浴シーンは見れないのです。私の周りにも行ったことがある人はほとんどおらず。そんな過酷な所ならぜひ行ってみたい!と真冬の長野に向かいました。

長野電鉄 長野駅の改札前。近代的なJR長野駅とは時間の流れ方が明らかに違う、懐かしい感じ! 地元の人々が手作り感のあるお店で採れたての野菜やお土産などを販売しています。

どこまでも続く雪景色を窓に写しながら電車はゆっくりと進んでいきます。雪国に住んだことはないのに懐かしさを感じるのは何故なのでしょう。

最寄駅の湯田中駅に到着! 天気はいいのですが、さすが長野。やっぱり寒い!

このあたりは温泉がいくつもあり、道を歩いているとこのような素朴で味のある共同浴場によく出会います。通常は鍵がかかっており、地元の人やその温泉地の宿に宿泊した人だけが鍵を借りて入浴できるそう。

温泉に入るサルは、1970年にアメリカの「LIFE」誌の表紙に掲載され、海外にも報道されました。1998年の長野冬季オリンピックの際は選手、大会関係者、報道関係者等、世界中からの人々が大勢訪れ、話題となり、広く世界中に知られました。

そんな世界中で話題の野猿公苑へは湯田中の駅からバスに15分乗り、最寄のバス停からさらに山の中を約40分歩きます。防寒グッズは荷物になるという方は、湯田中駅周辺にあるゲストハウスやおみやげ屋さんでスノーブーツや防寒コートをレンタルも可能。なかなか準備が必要なサルの楽園。簡単にはたどり着けません! これは期待が高まります。

すぐ左は崖。道から外れないよう気をつけながら山道を進みます。

なんとこんな車も入ってこれないような場所に旅館が!? ここでは日帰り入浴もでき、寒い日は露天風呂にサルが入ってくることも。世界でただひとつだけ猿と一緒に入浴できる露天風呂なのです!
※人には慣れていますが野生なので近くに来たおサルには触らないように気をつけてくださいね

道を歩いていると急に上から雪のカタマリが頭の上に降ってきました! 見上げると木の上にはサル! よく見るとすぐ近くにもサル! 突然サルたちが目の前に現れはじめます。

温泉に入るサルをきょろきょろと探すと、一番奥に人だかりを発見!

いたーーーー!!

温泉にサル! さる! 猿!

足元にまで来るのでフワフワの毛に触りたくて仕方がないのですが、なんといっても彼らは野生のサル。いつ噛まれたり引っかかれてもおかしくありません。ここはぐっと耐え忍びます。

木の上にもおサル。動きを見ているとすばしっこい。木の皮を食べたり葉の先を食べたり、やんちゃっぷりが激しいです。

温泉の中ではそれぞれペアになって毛づくろい。

とにかく気持ちよさそうに温泉に入っていて、みんな人間のよう。子ザルも多く、温泉に勢いよく飛び込んだり走り回ったり。とにかくどのおサルも近くて手が届きそう!!! さ、触りたい!!!

宿に戻ると部屋の外が騒がしく、なんだろうとカーテンを開けると、ここにもサル!さる!猿!とくに子ザルは好奇心旺盛のため、なんだかコミュニケーションを取ろうとしてきます!

なかなか帰ろうとしない子ザル。ガラス越しですが、手や動くものが気になるようで触れようとしてきます。か、かわいい!!!

地獄谷温泉では、1962年頃にサルによる農作物の被害が問題となり、駆除か共存かで議論となったそう。

「地獄谷には温泉もあり、餌付けすることにより一定区画に集まるようにし、露天風呂に入るサルを観光の目玉にしてはどうか」というアイディアからいまのような公苑ができたというのです。地獄谷野猿公苑のニホンザルは大人しく、カメラを向けても全く逃げません。しかし、サルたちは森に生息する野生動物であり、様々な背景があったものの地獄谷野猿公苑は、あくまでも自然観察の場という位置づけなのです。

イメージだけで終わらせず、実際に行って目で見ると、学ぶことの多さに毎回驚かされます。地獄谷野猿公園は地方創生のアイディアのヒントが詰まっています。そして、かわいいニホンザルの姿の裏にはスタッフ達、地元住民による環境保護への努力が隠されているのだなと実感しました。

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