通常日曜日以外開いている「マッカーサーグレン・アウトレット・モール」。北米やイギリス、またEUの21か所でデザイナーアウトレットを展開するグループですが、ベルリンのモールはドイツでも最大面積を誇ります。週末ならばベルリンのショッピング通り「クーダム」から直通のシャトルバスが出ているので、約30分ほどで簡単に行くことができます。
クリスマス前のこの時期はとくににぎやか。およそ100以上のブランド品を手に取り、みな品定めに夢中です。ラコステやGolfinoなどのフランス・イタリア系アパレルから、クナイプなどのバス製品、さらにキッチン用品や専門店のチョコレートなど何でも豊富。UGGのムートンブーツなどにも魅かれるけれども、やっぱり一番のおすすめはアディダスの靴。ドイツ人には小さめのサイズのスニーカーなどが、思わぬ低価格で手に入ることがあるのです。
ビジネススクールも注目する、アディダスの歴史アディダスがドイツ企業だと聞くと、驚く人もいるでしょう。南ドイツ・バイエルン州に本拠地を置くアディダスは、1949年にアディ・ダスラーにより商標登録されました。彼の兄弟はルドルフ・ダスラーで、現在のプーマの創設者。兄弟間の激しい攻防とブランド確立までの長い歴史はあまりにも有名で、2016年に映画化されるほど。アディダスの代名詞ともいえるスニーカーの「スリー・ストライプス」の意味と由来について詳しく描かれています。また数々の商標権訴訟を起こしてきた企業ポリシーについては、様々なビジネススクールでの題材にとりあげられることも興味深いです。
ドイツ国内においては小さな子どもや中・高生に限定されることなく、30代、40代の男女に愛されるアディダス。とくに靴は「ライフスタイル・スニーカー」としての立ち位置を長年確立しており、アパレルに関しても同様、ヨガウェアやゴルフ、テニスや水着でもアスレジャー感が強く打ち出されているものが多いように思います。
近年のアレキサンダー・ワンやヨウジヤマモトなどのクチュールデザイナーとのコラボも人気。モード色を全面に打ち出し、おしゃれで著名な歌手ファレル・ウィリアムスとのコラボ「水玉リュック」は爆発的にヒットするなど、アクセサリーにも意欲的です。また都会的で洗練された大人女子御用達のブランド「Moussy」とのコラボではシンプルで美しいカットがすてき。より「ユニセックス」的な新たな価値創造を広げています。
ベルリンのアウトレットモールは年々集客数が増し、その広大なエリアが憩いの場になっています。アメリカのそれとは何となく違う雰囲気を醸し出すヨーロッパのモール。ドイツを訪れたら、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
[マッカーサーグレン・アウトレット・モール,Bloomberg]
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