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ボニンブルーの特別な時間、小笠原諸島父島へ【後編】 #旅するデザイナーの冒険の書

2017/04/06 23:00 投稿

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「地球の裏側よりも遠い東京都」小笠原諸島。東洋のガラパゴス諸島と言われる世界遺産の島々です。

一度おがさわら丸に乗ると6日間都内に帰ることはできない冒険島につき、散策した前編。そんな父島に来て最初に驚いたのは海の青さ。沖縄の海の青さに負けません。早朝に海へ散歩に行くとビーチには人の気配がなく、自分だけの特別な景色が待っていました。

早朝の民宿前の海岸。誰もいない砂浜でボーッと海を眺めるのは最高の時間。

ビーチには砂ではなくたくさんのサンゴのかけらが打ち上げられています。

父島には至る所に太平洋戦争時の防空壕や軍施設、砲台跡があります。大神山展望台にもその名残がありました。敗戦後もしばらくの間米軍による占領状態が続き、小笠原が日本に返還されたのは昭和43年のこと。終戦から23年が過ぎた父島は英語の国、母島はジャングル化していたとのこと。道を歩いていると時々どこか欧米人のような顔立ちの方がいらっしゃるのも納得です。

大神山神社のさらに上へ階段を上ると戦時中に防空壕となっていたトンネルが。

父島は一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島。多くの固有種が存在します。島全体が小笠原国立公園に指定されていて、とくに小笠原諸島森林生態系保護地域では利用のルールが決められています。島のガイドさんと一緒でないと入れない場所も多くあります。そんな中で一番感動したシステムがこれ。保護地域に入る時のカウントシステム。自然の素材を利用し、島民、ガイド、観光客など誰が入ったのかがわかるようにカウントする仕組み。確かにこれなら雨にも対応できるし、お金もかからない。事務用品のマグネットや紙とペンを使いがちなところですが、父島ならではのアイディアがここにありました。

森林生態系保護地域の入り口にはこんな看板が立っています。

該当するマテリアルを選んで、行き先の書かれた緑の筒に入れます。

石や珊瑚など素材感があってとても素敵です。

小笠原諸島には豊かで独特な自然がたくさんあります。中でもガジュマルでいっぱいの森は必見です。自分がどこにいるのかわからなくなるほど、入り組んだ枝が複雑に広がっています。

小笠原固有の植物、テリハハマボウがとてもキレイ。ハイビスカスの仲間です。

中山峠から見る小港海岸とコペペ海岸。小笠原の海の青は昔からボニンブルーと言われます。

ガジュマルの森。この中に入っていきます。

どこにどう進んだらいいか躊躇するほど。ガジュマルの巨大迷路です。

こんなかわいい標識は他では見れません。絵はアカポッポと呼ばれるアカガシラカラスバト。なんと国内で最も絶滅が危惧されている鳥類。鳥なのに地上に巣を作ります。とてもキレイな鳥です。

海に出るとハート型の岩「ハートロック」が見れます。とても大きな岩でその部分だけ赤いのです。

島の周りを囲む岩たち。はっきりと枕状溶岩の模様を見られます。

枕状溶岩は海底火山噴火で噴出した溶岩が海水で急冷されたときにできます。

この時期はザトウクジラとマッコウクジラを見ることができます。

近くまで近づいてきてくれることもあります。ブロー(潮吹き)を見つけたらシャッターチャンス。

太平洋戦争時代に輸送船として活躍していた濱江丸(ひんこうまる)。

攻撃を受け座礁後、70年もの間この場所にいます。

道を歩くとイルカさんが微笑みかけてくれます。

お寿司屋さんの島寿司。帰りの船に乗る前にいただきました。

島を離れるのが寂しくて、美味しいはずなのにうまく喉を通らなかったことをよく覚えています。

小さな島に数日間滞在すると、徐々に顔見知りの人が増えてきます。島民の方や、旅人同士の会話は日常では経験できないもの。とても貴重な時間に感じ、ひとりひとりの人生が愛おしく思えます。旅先での出会いは一生心に残るのだろうなと思うと不思議でなりません。大都会での出会いと旅先での出会いの違いはなんなのでしょう。

いよいよ出港の日。入港の時と同じように島民全員ではないかと思うくらいたくさんの人で港は賑わいます。大きな旗には「いってらっしゃい」の文字。これが小笠原流の見送り方なのです。港には見覚えのある顔が。お世話になったガイドさん、民宿のお母さん、いろいろ話をした同じ旅人。ここまで帰りが切なさと感動でいっぱいの旅は経験がありませんでした

港にはたくさんの島民の皆さんが見送りをしてくれます。

出港後、なんとそのままたくさんの船たちがどこまでもどこまでも追いかけて手を振り続けてくれます。

お世話になった船長さんや、島で出会った旅人もいます。どこまで泣かせる島なんでしょう。

帰りの船の中は同じ島好き同士で親しくなりやすく、宴会状態。やはりこの出会いがあるから旅は良いのだと思います。また必ず帰ってこようと強く思い、波の揺れを感じながら眠りにつきました。また24時間の船旅の始まりです。

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