今年は「金」の天体ショーに恵まれた、ゴールデンイヤーです。5月21日の「金環日食」、6月6日の「金星の太陽面通過」に続いて、8月14日の未明に「金星食」が起こります。
「食」とは、ある天体が、その背後にいる他の天体を隠してしまう現象のこと。8月14日の「金星食」では、月が金星の前を通り過ぎることで、金星が隠されます。隠されるといっても、金星が一瞬で見えなくなるわけではありません。
14日の月は、新月に向かって日に日に欠けていっている細い月。この細い月の後ろに、金星が少しずつ入りながら、およそ1分半をかけて完全に隠れます(潜入)。しばらくすると、今度は月の暗い側から、やはり1分半ほどをかけて金星が現れます(出現)。
ステラナビゲータ(アストロア−ツ)で作成
ゆっくりと月に吸い込まれるように姿を消した金星が、再び暗い空にかすかな光となって現れ、だんだんと輝きを取り戻していく姿は、とても神秘的。まさに「ヴィーナスの誕生」といった光景です。想像するだけで、感動にひたってしまいそうですね。
今回の金星食は、ほぼ日本全国で、潜入から出現までを見ることができます。
主な場所での潜入・出現の開始時刻は次の通りです。
■札幌:潜入開始 2時47分/出現開始 3時50分
■東京:潜入開始 2時44分/出現開始 3時29分
■福岡:潜入開始 2時41分/出現開始 3時27分
(国立天文台のホームページより)
国立天文台のホームページによれば、潜入から出現までの一部始終を暗い空で観察できる機会はあまりないのだとか。日本で条件良く見られるのは、なんと23年ぶり! そして次回、同じような好条件で金星食が見られるのは2063年5月31日だそう。というわけで、かなり珍しい現象です!
観察するには、ちょっとつらい時間帯ではありますが、望遠鏡や日食グラスといった道具がなくても、肉眼で十分に楽しめますから、見逃さないようにしたいものですね。
日食や月食を含め、「食」という現象そのものは、そんなに珍しいことではありません。けれど、自分の頭上で食が起こり、自分が住んでいる場所からその現象が見られる機会はなかなかないことです。そう考えると、このタイミングで日本に生きていることがとても奇跡的なことだと思えてきます。そんな星との巡り合わせに感謝しながら、金星食を楽しんでくださいね。
[金星食(国立天文台)]
text by 景山えりか(文筆家/アストロ・コミュニケーター)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ライフスタイル誌を中心に、ナチュラルコスメ、ハーブ、ホリスティック医療などの取材記事を多数執筆。MYLOHASではオープン当初よりライターとして参加。その一方で、アストロ・コミュニケーターとして、星空や天体ショーの楽しみ方、月や星の文化、宇宙系グッズやイベントなどを各種メディアで紹介。星や宇宙を「自分に関係のあること」として楽しんでもらえるように多方面で活動中。著書に『自然とつながる暮らしかた 空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。
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ステラナビゲータ(アストロア−ツ)で作成
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(国立天文台のホームページより)
国立天文台のホームページによれば、潜入から出現までの一部始終を暗い空で観察できる機会はあまりないのだとか。日本で条件良く見られるのは、なんと23年ぶり! そして次回、同じような好条件で金星食が見られるのは2063年5月31日だそう。というわけで、かなり珍しい現象です!
観察するには、ちょっとつらい時間帯ではありますが、望遠鏡や日食グラスといった道具がなくても、肉眼で十分に楽しめますから、見逃さないようにしたいものですね。
日食や月食を含め、「食」という現象そのものは、そんなに珍しいことではありません。けれど、自分の頭上で食が起こり、自分が住んでいる場所からその現象が見られる機会はなかなかないことです。そう考えると、このタイミングで日本に生きていることがとても奇跡的なことだと思えてきます。そんな星との巡り合わせに感謝しながら、金星食を楽しんでくださいね。
[金星食(国立天文台)]
text by 景山えりか(文筆家/アストロ・コミュニケーター)
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ライフスタイル誌を中心に、ナチュラルコスメ、ハーブ、ホリスティック医療などの取材記事を多数執筆。MYLOHASではオープン当初よりライターとして参加。その一方で、アストロ・コミュニケーターとして、星空や天体ショーの楽しみ方、月や星の文化、宇宙系グッズやイベントなどを各種メディアで紹介。星や宇宙を「自分に関係のあること」として楽しんでもらえるように多方面で活動中。著書に『自然とつながる暮らしかた 空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。
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