疲れが溜まって、どうにもこうにも元気が出ない......。できるならただひたすら、ぼんやりしていたい。何をする活力も湧いてこない。そんな強い疲労感に襲われてダウンしてしまうことが、年に何度かあります。つい最近この状態になったとき、いつもと少し違うアクションを取ってみることにしました。それは無理するのをやめて、自分の状態をしっかり観察することです。 身体が求めていることって何?

風邪を引くなどして目に見える形で体調不良になると、休みを取り自分を労わるゴーサインが出しやすいもの。でも、病気ではないけれど強い疲労感を感じている状態では、休むことをなんとなくためらってしまいます。元気に動けない自分を怠け者のように感じてカツを入れたくなったり、ダラダラしてしまうことに罪悪感を感じたり。

そんなとき、元気を取り戻して早く元の状態にならなければと考えるばかりに、身体が本当に求めていることに気がつけないことがあります。また、うっかり身体が求めていることは逆の行動を取って余計に疲労が増し、本格的に体調を崩してしまうことも。身体の疲れはこころの疲れとリンクしているので、ケアを怠るとネガティブ思考にもなりがちです。

「元気を取り戻さねば」という焦りを脇にどけておいて、今身体が求めていることは何なのかをきちんと観察してみたら、新しい発見がありました。

身体は答えを知っている

身体の機能は素晴らしい! 今この瞬間にも食べ物を消化して必要な栄養素を分解したり吸収したり、呼吸して酸素を取り込み、心臓を動かして身体中に血液を流して循環させー。意識して指令を出さなくても、複雑な作業を淡々とこなしてくれるミラクルマシーンです。また、自己治癒力で、好ましくない細菌と戦ったり、切り傷や骨折を治したりして、私たちが日々の生活を送れるように黙々と活動しています。

でも、そんな身体が「動きたくないほど疲れている」状態になったら......。それは身体からのS.O.S. のはず。バランスを崩している。そう考えるのが自然です。たとえば、いつも穏やかで大変な業務も文句を言わずに淡々とやってのけている同僚が、ある日突然「それはできません」と言って自己主張するような感じです。無理やり「頼むよー」と押し付けるのか、「あっそう」と流すのか、それとも「何かあったの?」と聞いてみるのか。私たちの身体は実直でとても有能です。きちんと問いかけると、ちゃんと答えを返してくれるようです。

マインドと身体、別々の提案をどう受け止める?

身体の声を聞こうとしているのに、なかなかうまくいかない。そんなときは、マインド(思考)が間に入ってきている可能性があります。「〇〇に出かけてみれば?」「ショッピングで気分をあげてみたら?」「カフェインを摂ってみる? 栄養ドリンク飲む? お薬で治す?」など、マインドは対策を練るのが大好き。また、マインドは有意義に時間を過ごしたいと考える性質があります。計画が予定通りに進むことや、ToDoリストをかたっぱしからやつけていく瞬間など、活動的であることがマインドを満足させることですよね。身体が疲れているときでも、さまざまな提案をして、マインドなりに癒そうとしているのです。

一方で、身体が求めていることはマインドと同じでないこともあります。今回の私の場合、身体が求めていたのは「静寂」でした。余計なことを考えず、ただひたすら静かに休むこと。普段は意識しなくても勝手に修復・回復してくれる身体ですが、「今は意識して休んでください」そう言っているのが聞こえてきました。たくさん眠ってのんびりして過ごして、何か特別なことをして回復させるのではなく、回復そのものに時間を取ることが求められていたようです。

立ち止まれば、意識をシフトできる

マインドの提案を保留にして、身体の求めることにのみ意識を向けることは、意外にも難しいものです。でも、試してみて分かったことは、身体には身体のやり方があるのだということ。静寂をテーマに数日間過ごしたあとの身体の好調ぶりには目を見張るものがありました。そして、マインドではなく身体の声を優先したことで、精神的にも平和な気持ちになれて、こころも喜んでいるのを感じます。身体の声をもっと聞いて生きていこう、と意識のシフトが起きた貴重な体験でした。

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