男女ともに褒められて嬉しくない人はいないだろう。特に男性はプライドの生き物と言われるくらいだ。自分の過去の栄光や今の自分の頑張りを褒められると、簡単なくらい調子にのる。今回は、「褒め方」のスキルについて紹介する。
28歳 広告代理店OL みさきちゃん(仮名)の場合みさきちゃんは、僕が主催した合コンの幹事が連れてきた女子チームの中にいた。広告代理店でクリエイティブの仕事をしているということもあり、インテリジェンスな感じだった。かつ見た目が一見クールなイメージなこともあり、若干話しかけづらい雰囲気をかもしだしていた。
お酒を飲み交わしながら話をしていくうちに、だんだん打ち解け、すごく良い子だと思えるようになった。第一印象があまり良くないタイプのみさきちゃんのギャップにやられる男性は多いと思う。ただ、彼女の魅力はそれだけではなかった。それは、僕との会話の中での褒め方の部分にあった。
みさき:「TETUYAさんって、やさしそうに見えてじつは男らしいですね。」
それは、過去の恋愛経験や後輩との接し方などの話から、僕を評した彼女の一言だった。
観察結果「ギャップを見つけて褒める」みさきちゃんの魅力は、ギャップを見つけて褒めるところだ。「かっこいいですね」「身長が高くて素敵ですね」「おしゃれですね」など、外見を見れば想像がつくことを褒めるのは、誰でも簡単にできる。
一歩先を行くコミュ力の高い人は、見た目からはわからない内面的要素を、雰囲気と会話から序盤で見つけ出して褒めることができるのだが、大抵の人は難しく感じるだろう。
そんな人はファーストステップとして、相手の、見た目の印象とは違ういい意味でのギャップを適当に言ってあげるといい。たとえば、「草食そう」な見た目のタイプには、「やさしそうに見えて、じつは男らしいんですね」。逆に「肉食そう」な見た目タイプには、「強気そうに見えて、じつはやさしいんですね」といった感じだ。意外と男性は、みさきちゃんのような、自分自身が知らなかった一面を探し当ててくれるタイプの女性に弱いものである。
そこには正解はないし、「そう」をつけることで、あなたの主観的発言になっている。人がどう思うかは自由だ。言われた側としては間違いなく、自分にはそういう一面があるのかと新しい発見に驚くと同時に、知らない自分を見つけてくれたあなたにちょっと感謝するはずだ。
(イラスト・たなかみさき)