コミュニケーションにおいて、周りと差別化を図る方法のひとつがプチサプライズ感を出すこと。相手に「この子はできる」と好印象を残せたら、こっちのものだ。
25歳 ソフトウェア営業 みわちゃん(仮名)の場合みわちゃんとは、友達主催の合コンで知り合った。彼女は、社会人3年目のまだ初々しい女性営業マンだった。新潟出身でまだ少し田舎なまりが抜けきれていないタイプ。でも、すごく良い子であることは話してすぐに伝わってきた。
みわちゃんの仕事はソフトウェアの飛び込み営業。仕事に難しさを感じていたこともあってか、今度ゆっくり相談したいというので、後日二人でご飯にいくことに。
彼女の出身地の話から始まり、学生時代の話、それから仕事の悩みをひとしきり聞いて、そろそろお会計を済ませて帰ろうとしたときに、こんなやりとりがあった。
僕:「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
みわちゃん:「甘いもの好きですか? これ良かったら......」
GODIVAのちょっとしたお菓子をくれた。まだ若いのによく気がまわる彼女の、このプチサプライズにほっとけない感じを覚えた。
観察結果「ちょっとした気持ち」みわちゃんの行動にグッときたのは、「感謝の気持ち」を形にできていたところだ。ちょっとした気持ちが大事なので、高価なものでなくてもまったく問題ない、1,000円程度でいいのだ。むしろ高いものだと逆に男性はプレッシャーを感じてしまうかもしれない。
大人の男性と二人でデートをすれば、女性は高い確率でごちそうになるだろう。もちろん「美味しかったです。ごちそうさま」の言葉があれば、男性としては嬉しいしおごりがいがある。
しかし、「ごちそうさま」の一言で終わる女性と、何かちょっとしたものを用意してくれる女性との差は大きい。きっと付き合うことになっても、細かいところまで気が行き届く良い子なんだろうとイメージも膨らむし、男性の記憶にその子の存在がサブリミナルのように刷り込まれる。
常々言っているが、コミュニケーションにも差別化が必要だ。男性も女性も、異性と食事に行く機会は多々ある。いろんな人に会えば会うほど、記憶は少しずつ書き換えられていく。その結果、忘れ去られていく......。
いかに相手に印象を残しておくか、つまり他のライバルがやっていない、相手が喜ぶことを考えてコミュニケーションすることが重要となってくる。そのひとつが今回の例だ。やってない人は、明日からでもぜひ実践してほしい。
(イラスト・たなかみさき)