人は誰でも苦手な分野はある。だが、コミュニケーションの中で苦手な分野をはじめから回避しようとする気持ちは良くない。回避せず、やりくりする術を学んで欲しい。
25歳 事務系OL まさみちゃん(仮名)の場合まさみちゃんは友達が主催した合コンの中にいた。今回の試合相手は、大学時代の友達というチーム編成だったので職種もバラバラ。この合コンが久しぶりの再会だったらしく、フリートーク中は終始、女性陣の昔話ばかりで、こちらとしてはペースがつかめない、やりにくい試合運びとなった。
僕らの試合は2次会まで行くと決めている。相手の雰囲気を見て、再度、会話を楽しむ飲み中心にするか、ワイワイ系のカラオケに行くかを決めるが、今回はカラオケを選択した。
カラオケは冒頭でも触れたように、得意不得意がある。歌うこともそうだが、その場の雰囲気が好きか嫌いかという問題もある。1次会のときの雑談で、まさみちゃんはカラオケが苦手だが、それ以外のメンバーはカラオケ好きという情報は収集したので、2次会はカラオケに行くことになった。その2次会でのまさみちゃんの姿に、男性陣の好感度があがった。カラオケが苦手なのに頑張って歌っていたからだ。
観察結果「協調性とトライする気持ち」「カラオケだったら私行かな~い!」というビックリするくらいワガママな子に遭遇したこともあったが、まさみちゃんのように、協調性とトライする気持ちをもっている女性には好感がもてる。2次会でまさみちゃんと話をしたとき、彼女はカラオケが苦手なりに音痴だと思われない歌を練習しているということをコッソリ教えてくれた。いわゆる「陰練(かげれん)」だ。この日も、楽曲は忘れたが、音域の狭い曲をチョイスしていた。
カラオケは避けて通れないコミュニケーションツールのひとつである。歌わないにしても他の人が歌っているときに踊るのも良し、タンバリン叩くのも良し。一緒に楽しめる懐の深さに男はグッとくるのである。
イラスト・たなかみさき