マイロハスでも景山さんの連載『星と暮らす』をはじめとした天体記事は大人気。来る11月14日に起こるウルトラスーパームーンなど、月の天体イベントはSNSを中心に大きな盛り上がりを見せています。なぜ月はこんなにも人の心を惹きつけるのでしょうか。
「月は普遍的で、誰に対しても同等に存在しているからではないでしょうか。月は誰の所有物でもなく、皆にとってひとつのもの。ふと見上げた夜空の月がきれいだと誰かに伝えたくなりませんか? それとおなじように、月のイベントを皆で共有したいという損得勘定のない純粋な気持ちで、SNSで拡散されているのだと思います」と景山さん。
なるほど! 天体観測と違い、月を見るのに道具や専門知識は必要ありません。どこに住んでいても、子どもからお年寄りまで、空を見上げれば見つけられる存在、それが月のいいところ。美しい月は、誰かを想う優しい気持ちにさせてくれます。
10年ほど前から月のリズムを取り入れた暮らしを実践している景山さんは、仕事やライフスタイルに変化を感じているそう。
「2、3年という長いスパンで見て、仕事のプロセスが月のリズムに沿って進んでいるな、と感じます。また、この本は自然のリズムで整理整頓がテーマなのですが、私は新月に向けて欠けていく月の頃に掃除したい欲求が高まるんです。日頃から部屋を整えておくのは難しいけれど、自発的に掃除したくなるその時期にやればいい、と決めたら気が楽になりました。片づけルールやマニュアルは、誰かが考えた"人工物"なので、人によって合う・合わないがあります。合わなかった方に、月のリズム整理整頓方法・"月整活"を試してほしいですね」(景山さん)
いい意味でのゆるさが特長の"月整活"は、マイロハス読者にぴったりはまりそうですね。
月のリズムで暮らすための3ステップ身のまわりだけでなく心も整っていく"月整活"。これからはじめたい方に、次の3つのプロセスを提案しています。
「月のリズムに自分を合わせるのではなく、普段の生活に月のリズムを取り入れるのがコツ」と景山さん。
月のリズムで暮らす3ステップ【ステップ1】生活時間帯に月を追いかける
【ステップ2】自分の予定と月のリズムを照らし合わせる
【ステップ3】月のリズムで新習慣をつくる『月整活 月のリズムで暮らしと心を整える30の新習慣』P.18~20より引用
カレンダーや手帳の情報だけでなく、本物の月を身近に感じることが月整活のはじめの一歩。
「まずは実際に月を見る。会社から帰るとき、月がどの方角に見えるのか、スマホから視線を上げて、空を見上げるクセをつけてほしいですね。次に、スケジュール帳を使って自分の過去の出来事を月のリズムに照らし合わせ、規則性を探します。小さなお子さんがいる方はケガや病気になった日をチェックしてみると意外なことに気づくかもしれません。最後に、休み休みでもいいので、自分がワクワクする習慣をつくります」(景山さん)
【ステップ2】が難しい人は飛ばしてもOK! 書籍では月相ごとにおすすめの習慣が紹介されていますが、「その通りにする必要はないですよ」と景山さん。私は「満月の日にウォーキングする」という目標を立てました。月光浴と運動を同時に行う、気分が上がる習慣になりそうです。
月の魅力に魅せられて以来、大好きな月や天体の仕事で活躍している景山さん。仕事に欠かせない資料から小物まで、お気に入りアイテムを教えてもらいました。
天文手帳(地人書館)
その年の月の満ち欠けの時間や天文現象情報、星座早見表がついた天文ファン必携アイテム。スケジュール帳とは別に、原稿執筆の資料として活用。
「旅行のスケジュールを立てる際にも月の満ち欠けをチェックし、星空を眺めたいときは月明かりのない新月に、月見風呂をしたいときは満月の日を選びます。日中の観光だけでなく、夜にも楽しみができますよ!」
三日月のアクセサリー
イベントや講座の際に身に付ける、三日月のネックレスやピアス
月と星柄の巾着袋
「月や天体モチーフのものは、つい集めてしまいます」
月整活を続けることで、おだやかな光を放つ月のように「心がおおらかになり、長い目で物事を捉えられるようになりました」と、景山さん。さあ、今日からさっそく夜空を見上げてみませんか。
教えてくれた人:景山えりか(かげやまえりか)さん
星の文筆家、暦文化研究家。「星空を人生の一部に」をモットーに、星や宇宙の魅力を伝える記事をメディアに多数執筆。また、旧暦や月の文化に造詣が深く、暮らしの中で星の世界を楽しむ方法を幅広く提案している。著書に『月整活 月のリズムで暮らしと心を整える30の新習慣』(主婦の友社)、『自然とつながる暮らしかた 空の向こうは 私のうちがわ』(講談社)、監修CDに『Moon Healing』(Della)がある。オフィシャルサイト/Facebook
moon image by PIXTA