栗は、日本人が縄文時代から食べてきた馴染み深い木の実ですが、ヨーロッパでも古くから食べられていたようです。炭水化物とビタミンB群が豊富で効率よくエネルギー補給ができる栗は、寒くなる季節に体力をつけるのにぴったり。加熱しても壊れにくいビタミンCも含むので、免疫力強化にも一役買ってくれる優秀食品です。 秋らしさ満点。素朴で滋味深いトルタ

栗を挽いて粉にしたもので作る、昔ながらのケーキ「カスタニャッチョ」を食べてみたくて調べてみると......、中世から伝わるお菓子だけあって、数百年の時間と土地ごとのアレンジを経て、料理本ごとにかなり異なるレシピが載っていました。それらをいくつも横断して、義母と相談しながら作ってみたのが今回紹介するレシピです。

もとは貧しい庶民のお菓子だったので、シンプルなものだと砂糖なし、卵なし、牛乳さえなく水を使う......と極めて質素。しかし、だからこそ栗そのものの甘み、ナッツやレーズンの滋味深さを味わえるのです。現代の私たちにとっては、むしろ栄養満点のごちそうと言えるかと思います(余計なものが入っていないのもうれしい)。ずっしりと固めに焼き上がる見た目も、秋の実りたっぷりで満足感がある食べごたえも、とっても秋らしいトルタです。

栗粉のトルタ・カスタニャッチョ

【材料】

栗粉 400g

レーズン ひとつかみ(50~80g)

松の実 ひとつかみ(50~80g)

アーモンド(皮なし) ひとつかみ(50~80g)

くるみ ひとつかみ(50~80g)

ローズマリー 1枝

牛乳(または豆乳) 2カップ

冷水 1と1/2カップ

砂糖(またはきび糖) 大さじ2

塩 ひとつまみ

ベーキングパウダー 小さじ2~3

(低温圧搾のゴマ油など)軽い植物油 大さじ2

無塩バター 10~15g

 【作り方】

1. レーズンは分量外の水に10分ほどつけて戻し、かるく洗って水気を切っておく。アーモンドと松の実はフライパンで乾煎りして香りを引き出し、くるみは食べやすいように刻んでおく。ローズマリーは枝から葉を外す。

2. 栗粉をふるってボウルに入れ、砂糖、塩、ベーキングパウダーを入れて混ぜる。ここに牛乳と水を少しずつ加えながら、こねるように混ぜていく。

3. さらにレーズン、松の実、アーモンド、くるみ、ローズマリー、植物油を加えてよく混ぜ合わせる。

4. タルト皿に油(分量外)を薄く塗り、3を敷き広げ、その上に細かく削ったバターを全体に散らす。お好みで松の実やアーモンド(分量外)を飾る。ローズマリーは焦げてしまうので、飾るなら焼き上がったあとで。

5. 180℃のオーブンで約30分、表面に焼き色がつくまで焼く。

栗粉は、渋皮を含まない甘いものを使います。それでもかなり甘さ控えめのレシピなので、お好みで砂糖やレーズンを増やしたり、上から粉糖をかけたりして調整してみてください。

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