お肉にうっすらと衣をつけて炒め煮のように調理することで、硬くパサつきがちな鶏むね肉の水分を閉じ込めることができるうえ、レモン果汁が衣にからんでヴェールとなり、中までしっとり、ふわふわの食感に仕上がります。
この衣には、ふつう小麦粉を用いますが、最近わが家ではこれをひよこ豆粉に替えています。南イタリアではわりと一般的に使われる粉で、フォカッチャや揚げ物の衣などに使われます。その名のとおりひよこ豆が原料なので、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養価が高いことと、「グルテンフリー」であることが、うちで採用している理由です。
グルテンフリーで不調が消えたじつはイタリアに移住して1年が過ぎた頃から、もともと持っているアレルギーが強く出るなど体の不調を感じるように......。そこで試しに一切の小麦粉を絶ってみたところ、すーっと不調が消えたので、それ以来、ごくたまに少量口にする以外はグルテンフリーの食事を続けています。
日本にいたときも小麦粉製品を好きで食べてはいたものの、あくまでベースは米食。それが急に、イタリア人と同じペースで(つまり毎日)パスタやパンを食べるというのは、さすがに体に合わなかったようです。
幸い、イタリアではお米もよく食べられるほか、小麦の代わりに米やトウモロコシ、キヌア、蕎麦などから作られたパスタやクッキーもたくさん売られているので無理なく実践できています。いろんな種類の穀物を摂ることは、グルテンの問題だけでなく栄養バランスの面でも利点があると感じます。
鶏むね肉のレモン風味ソテー(6~7人分)【材料】
鶏むね肉 4枚
レモン汁(できればシチリア産か国産のもの) 250ml
小麦粉(またはひよこ豆粉) 大さじ6~7
塩 適量
黒コショウ 適量
バター 30g
オリーブオイル 大さじ2~3
ローズマリー(お好みで) 適量
飾り・追加用のレモン(お好みで)
【作り方】
1. 鶏むね肉の血や筋をきれいに取り除いて、食べやすい大きさ(3~4cm程度)に切り分ける。ボウルに入れ、塩とレモン汁100mlを全体にまぶして15分ほど置く。
2. 鶏肉の表面についた水分を布巾やキッチンペーパーでふき取り、小麦粉(またはひよこ豆粉)を全体にまぶす。
3. 大きめのフライパンにバターとオリーブオイルをひいて熱し、2を並べて焼く。片面に焼き色がついて縁が白くなってきたらひっくり返し、塩、黒コショウ、レモン汁150ml、ローズマリー(お好みで)を入れる。裏面も焼き色がついたら、フライパンをゆすって全体をなじませる。お肉の中心まで火が通ったら火からおろす。火を通しすぎると硬くなってしまうので注意しましょう。
4. お好みで追加のレモンを添えて、できあがり。