たとえば、何年も会ってない古い友人に偶然再会したり、テレビやラジオから今の自分の心境にぴったりの曲が流れてきて驚いたり......。これらの出来事は、シンクロニシティと呼ばれる現象かもしれません。
シンクロニシティが教えてくれるものシンクロニシティとは
20世紀を代表する心理学者の一人であるカール・ユングが提唱した「意味のある偶然の一致」という現象。体験者や目撃者にとって重要な意味を持つ出来事を指します。その出来事が自分にとってどんな意味があるのかに注目することで、探していた答えやヒントが見つかったり、気づきや悟りが促されるとも言われています。
現代心理学では、直感を高めて心の声に耳をすますツールとして使われることもあるシンクロニシティ。誰の日常にも起きており、それに気づいて上手に利用している人もいれば、ただの偶然だと片付けてしまう人もいるでしょう。
たとえば、朝食べるもの、その日に着るものや、家を出る時間、通勤路、メールや電話をするタイミング、誰と会ってどこで時間を過ごすのかなど、わたしたちは、たった1日の中でも数え切れないほどの決断をしています。 そんな数ある決断の結果、起こった出来事の中に、もしなにかの偶然が発生したのであれば......それはさまざまなタイミングが重なり合って起きた、注目に値する出来事だと言えます。
物理的な因果関係が説明できない偶然の一致。シンクロニシティは、ときに頭で考えてすぎてしまう傾向があるわたしたちに、「違う角度から物事を見つめてみること」を教えてくれるのです。
何気ない1日に潜むメッセージシンクロニシティには、大きなものから小さなものまでさまざまな種類があります。誰かのことを考えていたらその人から電話がかかってきた、というものもあれば、何かに迷っているとき、本屋さんでたまたま手に取った本に自分を決心させてくれる言葉が載っていたなどもいい例でしょう。ほかにも、シンクロニシティはこんな風に見つけて、日常生活に活用していくことができます。
やたらと赤信号にひっかかる日近道のためにいつもとは違う道を通ってもまた赤信号。普段ならイライラしながら信号待ちするけれど、なぜこの偶然が起きたのかをシンクロニシティの角度から考えてみると、「忙しい思考を休めて少し立ち止まってみて」というメッセージかも、と捉えることができる。
→ イライラするのをやめて、落ち着いて深呼吸をすることで、自分を中心に戻すきっかけとして使うことができる。
懐かしい曲が耳に入ってくるしばらく会っていない人の顔や、以前住んでいた場所の記憶がよみがえり感情が揺さぶられる。ここにシンクロニシティの考え方を取り入れると、「過去を振り返ってみて」というメッセージ以外にも、感情を揺さぶられる出来事は「自分の心の声に目を向けてみて」というメッセージだと受け取ることができる。
→ 最近、心に栄養をあげていますか? 心で感じる時間を作っていますか? 心にじっくりと浸る時間を作ると、何か新しいことが見えてくるかも。
自分次第でどんどん変化できるいろいろな偶然のタイミングが重なりあって起きるシンクロニシティは、いわば日常の小さなミラクル。意識していないと見逃してしまうけれど、逆に意識して探すことでどんどん見つけやすくなり、日常にミラクルが増えていきます。
シンクロニシティに気づくことは、自分の経験していることや、いま自分の人生に起きていることに意識を向けている証拠。毎日の小さな出来事にも、いろんなメッセージを見つけることができるのだと気づかせてくれます。自分を見つめ、ていねいに暮らしていくためのツールとして使えば、毎日がもっと面白くなるはずです。
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