人前で話すことや、初めて会う人に自己紹介するのが苦手で「損してる」と感じることがありますか?
内気な性格の人にとって、堂々と自己紹介やスピーチができる人は眩しい存在。ハキハキと話し、笑いまで入れて場を沸かせることができる人を見ていると心から感動してしまいます。
この数年、海外でレクチャーやセミナーを受ける機会が何度かあり、もともと苦手だった自己紹介やスピーチを英語でしなければならない場面がありました。日本語でも緊張するのに、英語でなんて......。ハキハキ話したいと思う反面、実際には自信のなさから声が小さくなってしまいます。ときには話しながら声が震えてしまうことも。トラウマになりそうな経験もありました。「こんな機会はまっぴら!」と思うのですが、でもやはり苦手なものは克服したほうが生きるのがラクになるはず。そこで、克服するために周りのひとにアドバイスを聞いたり、上手なひとたちを観察しながら過ごしてきた結果、見えてきたことがあります。
じつは、誰でも緊張している
人前で話すのが上手な人たちに「どうやったらそんな風に緊張せずに話せるのか」をたずねると、「緊張しないわけがない」という答えがほとんどの人から返ってきます。レベルの差はあれど、初めて会う人やよく知らない人たちの前で話すときにはみな緊張しているのです。ただひとつ大きく違うのは、緊張感をアドレナリンとして利用するか、それともただの精神的ストレスにしてしまうのか、がポイントのようです。
たとえば、アドレナリンとして利用した場合は、緊張感が活力に変わります。逆に緊張感を精神的ストレスにしている人は、アドレナリンとして利用する前に「失敗したらどうしよう」などの不安感で頭の中をいっぱいにしているようです。
準備することの大切さ
緊張感をアドレナリンに変えるための一番効果的な手段は、準備しておくこと。たとえばオリンピック選手が本番でそれなりの成果を出すことができるのには、これまで積み重ねてきた練習の成果があるから。本番に向けてきちんと準備してきたからこそ、緊張感を活力に変えることができるのです。
自己紹介やスピーチもしっかりと準備することで備えることができます。どんなシチュエーションで求められても大丈夫なように、普段から自分について説明できる文章を用意しておきましょう。当たり障りのないものから、少し深い自己紹介までいくつかパターンを用意しておくと、その場に応じて足したり引いたりしながら使うことができます。備えあれば憂いなしです。
Act as ifの精神で
英語では「まるでできているかのように振る舞うこと」をAct as if (アクト・アズ・イフ)と言います。これは心理学でも使われる手法で、緊張していても、まるでぜんぜん平気な風に振る舞うことで、脳に「大丈夫だ」という信号を送り、落ち着かせることができます。緊張しているときこそきちんと背筋を伸ばし、まっすぐに前を見て話すようにしてみましょう。その場にいる人たちは、あなたがシャイであがり症だなんて知りません。もしくは、そんなことどっちでもいいと思っている場合がほとんどです。緊張していないように振る舞うことで、脳が「意外と大丈夫だ」と感じ、不安感が鎮静していきます。
自分らしくあることが一番チャーミング
それでもやっぱりシャイな自分は緊張してしまう......。そんな人には、「自分らしさを恐れないこと」を、緊張したときに思い出してみるのがいい。場合によっては、場慣れしている人よりも、そうでない人の方がより本物っぽくて魅力的に見えることがあります。緊張のせいで上手にスピーチできなくても、その人がその人らしくあるときには、言葉や態度では現すことができない「輝き」が見えることも。その場にいる全員を説得する必要なんてなくて、だれか一人の意識に触れるだけでも十分なのです。シャイな自分を受け入れ、緊張の場で自分に言い聞かせれば、「まあいいか」と開き直ることができるはず。
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