そのお菓子は「三英傑」という名前。三英傑とは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、3人の戦国大名のこと。信長と秀吉は旧尾張国の名古屋市、家康は旧三河国の岡崎市の生まれで、みな現在の愛知県出身であることから、地元では郷土の誇りとして称えられています。
水飴と砂糖で作る有平糖を、昆布で結んだ風変わりな姿。桃色は織田家の織田木瓜、黄色は豊臣家の千成瓢箪、緑色は徳川家の徳川葵と、それぞれの紋や馬印で3大名を表しています。
ともに涼しげな寒天菓子・寒氷も求めて帰り、冷茶とともに、おやつの時間に。古くから尾張地方では、家庭で抹茶を喫する週間が行き渡っていたことから、「茶どころ名古屋」と言われる土地柄。今ではコーヒー文化で知られていますが、喫茶が根付く街だからこそ、茶菓子の店が多くあります。
芳光では、昭和40年の創業以来お菓子の発送をおこなっておらず、名古屋駅から少し距離のある名古屋市東区の店舗を訪ねなければこれらを味わうことはできません。そのうえ、有平糖はガラスのように壊れやすく繊細なお菓子。買いものバッグの中に平らに入れて、そっと宝石を運ぶように持ち帰りました。
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