マインドフルネスのための特別の時間を取る必要は特になく、日常のすべてがマインドフルネスの練習になります。
たとえば、誰かの話を聞くとき。こんな悲しいことがあった、いやなことがあった。そんな話が相手の口から出てきたとき、自分の中にはどんな思いや考えが立ち上がるでしょう。心地よさ? 不快感? あるいは、相手が悪い、あなたが悪い、なんとかしてあげないと。そんな考えでしょうか。
それがどんなものであっても、自分は相手の話を聞いてこう感じた、こう考えた、とただ受け止めます。そうしながら、相手の話もただ受け止めます。相手の中になにが起こっているのだろう。そこにあるものを、ただそのままに見ます。
私たちが通常慣れ親しんだ会話の方法では、それが悲しみや怒りであると、相手のその感情をなんとかなだめようとします。そのためのツールをたくさん持っています。なにか意味があるんだよ、成長する良いチャンスだよ、世の中にはもっとひどい状況の人がいるんだからまだまし、そんな一見ポジティブっぽい慰めをしたり、その相手が悪いよ! 状況が悪かった、運が悪かった、なにかを悪者にしてみたり。
でも、以前お伝えしたように、感情は自分が何を大切にしているかに気づくための足がかり。感情を無理に止めるということは、その足がかりを失うということです。悲しんでいてもいいし、怒っていてもいい。悲しみや怒りは悪いことではなく、ただあるだけです。それを悪いことだ、消さなければ、とジャッジしているのは自分の思考です。
相手をそのままに受け入れるということは、その人が悲しんでいる、怒っている、というその事実ごと受け入れるということです。そんなふうに話を聞かれると、受け入れられた安心感が生まれます。それは、相手とのつながりを深める一助になるだろうとおもいます。
今日の1枚:
雨の日が「悪い天気」なんて誰が決めたのでしょう。水たまりや雨に濡れることを楽しんでいた子ども時代もあったはず。それに雨がなければ、生き物は生きられません。恵みの雨のあと、植物たちは生き生きとしています。
>>明日の後編に続く
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