眠れないときのハーブ
それはカモミールジャーマンティー。
古くは健胃薬として用いられたようですが、いまではリラックス効果や安眠作用も期待され、日本でもよく親しまれているハーブティーです。また『アロマとハーブの薬理学』(講談社)にはこのように書かれていました。
「ベンゾジアゼピン系の薬物は、現在一般的に使用されている代表的な睡眠薬ですが、カモミールの成分には、このベンゾジアゼピン類と同じ作用点をもつものが存在すると思われます。」
(『アロマとハーブの薬理学』P87より)
睡眠薬と似た作用機序があったのですね。「眠れないときのハーブ」と言われる理由がわかりました。
不安なときや仮面うつにも
また春のせいだと思っていた体の不調が、じつは「仮面うつ」だったということも。
仮面うつとは、寝つきが悪い、眠りが浅い、食欲不振、疲労感、頭痛、肩こり、便秘など、日ごろよくあると思われる身体症状が目立つうつ病のことです。でも仮面でおおわれて見えにくくなっているだけで、その本質はうつ病と同じだと言われています。
そしてカモミールからは、抗不安や精神安定が期待できるアピゲニンが見出されたのだとか。それをふまえ、本書にはこのように書かれていました。
「カモミールの成分から新しい抗不安薬や抗うつ薬が誕生するかもしれません。」
(『アロマとハーブの薬理学』P75より)
副作用が気になり、処方されても敬遠してしまう人が少なくない抗うつ薬と抗不安薬。その代わりになる薬がカモミールから誕生すれば、選択の幅も広がりますね。
ほかにも試したいハーブ2種
ほかにも本を参考にしつつ試してみたいと感じたのが、菩提樹の花を用いたリンデンティーです。こちらは鎮静作用、安眠作用が期待され、「グッドナイトティー」とも呼ばれています。
また習慣性とならない鎮静作用が期待できるパッションフラワーのハーブティーも良さそう。
ちなみに鎮静作用をもとめる人に人気のあるセントジョーンズワートのハーブティーは、セロトニン症候群を発症する可能性もあるのだとか。いただく際には注意が必要です。
人類最古の薬草の1つとされているカモミールジャーマンなど、人にやさしいハーブを上手に取り入れ、春の不調も軽やかに乗りこえたいものです。
top-image,chamomile,passionflower image via Shutterstock
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