学校からの帰り道の名もなき原っぱで、運動公園の芝生で、河川敷で、公民館前の駐車場で......。クローバーがあるとこならどこでも向かい、時間が許す限り緑の群生を凝視した。
そして40歳を超えたいまもなお、クローバーがわさわさ茂る場所を見つけると、「四つ葉はないか」と視線をめぐらさずにはいられない。
ときには那覇空港脇の空き地で、座喜味城跡で、高江の共同売店の庭先で、21世紀の森公園のスケボーパークの横で、園芸売り場の鉢植えで。
四つ葉を見つけると、かならずや夫に「見つけたよ♡」とアピールすることを欠かせない。すると夫は「すげー」と驚く。毎回、お決まりに驚いてくれる。
そんなふうに日頃から、わたしの魔女力をじわじわと見せつけていれば、ここぞというときに有効利用できるかも知れない。ふふふ。
ま、単なる「暇つぶし」なる行為なのだが、それがここ最近、子どもたちにも確実に伝播しつつある。わたしが探し始めるといなや、子どもたちも我先にとこの道のマスターであるわたしを押しのけ、世の"ラッキーアイテム"を探そうとする。
それは四つ葉探しの礼儀に反するので、「人が探している範疇には入らないこと」と注意喚起。そうこうしているうちに、「お母さん、何個見つけた?」と探りが入る。
「うーん、5個かな」と言うと、「えー!ずるい!」と、子どもたちはまるで飢えた狼のような姿勢でさらに必死に探し始める。おしゃべりすることすらままならない真剣なムード。
「お母さん、5つ葉見つけちゃった」と、冷静を装いぽそっと言うと、「えー!ずるい!ずるい!」とブーイング。
このようなわたしの技は、子どもたちの心を大いに刺激したらしく、以来、近くの公園に行っては四つ葉ハンターに興じる兄妹。「20個見つけた!」「30個見つけた!」日に日に技を磨いているちびっこに、うっすら焦りを感じるわたし。
そんなある日、息子が「お母さん見て!8つ葉見つけた!」と、興奮した足取りで家に入ってきたもんだ。
まさか。確認すると、確かに葉っぱが8枚ある。うーん、やるなぁ。正直、悔しいっ!(笑)と入れたいところだが、実際は(涙)あるいは(汗)。
でも、こんなにたくさん狩ってきてどうするの? 水に浸したまま数日過ぎてもなお、一向に押し花、いや押し葉にする気配なし......。
いっそお浸し? いや、青臭さ過ぎる。なので、梅酵素の中にうずめて、「四つ葉のクローバー酵素」にしてみた。なんて、乙女チック。
その効能はいかに?
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