「フハハハッ!! どうした勇者達よ、そんな貧弱な攻撃では我の身体に傷一つ付ける事はできぬぞ!」


 強力な魔法、目にも留まらぬ速さの打撃。


 カイン達は渾身の攻撃を繰り出すが、それでも平然としている魔王に、少しづつ疲労とあせりの色を見せ始めていた。


「ぐぬぬ、魔王め……。魔法がここまで効かぬとは……。やはり、以前ワシが戦った時よりも数段パワーアップしているようじゃ。……っ、これは厄介じゃのう」


 最後の方は自分に言い聞かせたのか、伝説の魔法使いが小さな声で呟いた。


 魔法攻撃はもちろん、打撃も効果がないと悟った相棒チームもとい真の勇者チームは、それでも打開策を見つけようと攻撃の手を止めなかった。


 

 一方、マコト達四人は勇者達が追い詰められている状況の中で、自分達が単なるモブだという事を自覚し、すっかりやる気を無くしていた。


 ドアの向こうに広がる光景を眺めつつ、マコト達は円陣になりあぐら