何時間進めど一向に姿を見せない遺跡に、「道は合ってるんだろうな……」と村長を疑い始めたとき、目の前に大きな遺跡が現れた。


入口まで近づき動物の乗り物から降りた俺たちは、砂漠の大地にそびえ立つ遺跡をまじまじと眺める。


「ナオキ殿、や~~~っと遺跡に辿りつきましたね!」


村長が「やっと」を強調する理由は分かる。単純に、ここまで来るのにものすごく時間がかかってしまったからだ。


出発したときは朝だったのに、今は日が落ち始めていて少し薄暗い。


貸してもらったマントや乗り物もボロボロになってしまっている。


 

疲れた。正直疲れた。


思えばこの長い道中で、さまざまなトラブルに巻き込まれていた――。


 

 

「ナオキ殿、見てください!! あの大穴はなんだと思いますかっ?」


ガルザンとピュルルン太郎で砂漠の中を進んでいると、村長が砂漠にあいた巨大なヘコみを指して声をかけてきた。


心なしか鼻息が荒く、目も輝い