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▼ 2015.6.24号
▼ 『FOREST 島人通信』
▼ FOREST ISLAND
▼ http://ch.nicovideo.jp/morishimachannel
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▼ご挨拶 

みなさま、いつもFOREST ISLANDをお楽しみいただきありがとうございます。

 

月曜日に新作動画をアップロードいたしました!

皆さんお待ちかね! 立原美幸さんの登場です!

【心霊スポット】立原美幸のゴーストインタビュー【茨城心霊スポット編】

http://www.nicovideo.jp/watch/1434947093

 

無料で見られるこの動画のチラ見せはこちら!

http://www.nicovideo.jp/watch/1434947902

 

 

そして!

今週は生放送週間でございます!

 

まずは明日木曜日に、森島が一人で心霊スポットを巡ります!

夜からたった一人のスタートですが、果たしてチキンな森島はちゃんと心霊スポットを回ることが出来るのでしょうか!?

なお、この放送は、前回の生放送が電波の問題で完全無料放送となったため、一部会員様限定で放送いたします!

車載においては無料放送、心霊スポットに着きましたら会員限定放送とさせていただきますのでご了承くださいませ!

ぜひぜひご覧ください!

【心霊スポット】一人ガンバレ森島 ~心霊の旅~ 【電波を追い求めて】※心霊スポットに行ったら会員限定

http://live.nicovideo.jp/watch/lv225746808

 

そして!

28日、日曜日にはいつものガンバレ森島を!

ZeNrAさんと二人でお届けいたします!

【心霊スポット】ガンバレ森島 ~ロケハンの旅~ 【電波を追い求めて】※基本的に無料放送、タイムシフトは会員限定

http://live.nicovideo.jp/watch/lv225746982

 

どちらもお楽しみに!

 

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    FOREST ISLANDホラー劇場『山小屋の学生たち』④

 

「捜索隊か?」

 とっさに口をついて出た。

 だが、誰も返事をしない。こわばった表情でお互いの顔を見合わせているばかりだ。

「降りるのか?」

 岩瀬が訊いてくる。

北原は脇腹を見下ろした。腹に響く痛みは相変わらずではあるが、だいぶ治まってきたようでもある。

逃げたい、という思いが、再び大きくなってきていた。

「裏に大きな穴がある。そこに隠れよう」

 見透かしたかのように、岩瀬が指示を出す。待ち構えていたかのように数人が北原に手を貸すと、抱きかかえるようにしながら立たせる。

 山小屋を出ると、漆黒の闇であった。足元すら見えない。山小屋の明かりが少しは漏れているかと思いきや、その光さえも届かない闇であった。

その闇の中を、学生たちは意に介さず進んでゆく。十メートルも歩かぬうちに、岩瀬の言うとおり、大きな穴が見えてきた。

数人が先に飛び降り、北原を抱えるようにして穴の中に下ろす。痛みも忘れて感心してしまうほど、手馴れたものであった。

穴の深さは二メートルほどで、全員が入ってもなお余裕がある広さだった。

 犬の鳴き声がだんだんと大きくなってくる。

「静かにしていろ。じきに行ってしまうから」

 岩瀬が声をかけた。

うなずき返し、じっと息を潜める。

だが、犬の鳴き声はいつまで経っても小さくならない。小屋の前あたりで吼え続けているのだろうか。

(見つかったか?)

北原の不安に呼応するかのように、枝の刺さった脇腹がまたずきずきと痛んできた。シャツをめくってみると、枝の刺さった傷口の周りはどす黒く変色し、黄色い膿のような汁も出始めている。

 それを見て、北原は我に返った。そして観念した。

そもそも、これだけの重傷を負いながら逃げようと思うこと自体が間違いなのだ。一刻も早く治療しなければ命に関わるだろう。捕まりたくないばかりに、現実的ではない考えに支配されていたのだ。

「俺、出て行くよ。手を貸してくれ」

一同がぎょっとしたように北原を見た。皆一様に困惑した表情を浮かべている。

「死んじまうよ。捕まってもいいんだ」

 彼らの表情の意図がつかめず、北原は続けた。

 岩瀬が憤慨したように声を荒げた。

「ここまでお前を連れてきて、俺たちも共犯なんだぞ。誰のためにやってやったと思っているんだ!?」

「この穴に隠してくれたことは言わないよ。約束する」

だが、岩瀬は引き下がらなかった。

「駄目だ」

 北原には岩瀬がなぜここまで食い下がるのか分からなかった。

「出て行ったところで、捕まって刑務所行きだぞ」

「怪我なんてたいしたことないわよ」

「ここにいたほうが良い」

 ほかの学生たちも、口々に引きとめようとする。

 だが、北原にはもうそのつもりはなかった。

「出ていくって言ってるだろ! 手を貸してくれ!」

 北原に手を貸す者はなかった。誰もが口々に北原を止めようとし、手をかけて押さえようとする。脇腹の枝に手をかけてくる者もいて、北原は激痛に顔を歪め、座り込んだ。

 北原にとって、学生たちはもはや得体の知れない存在でしか無かった。彼らがなぜそこまで北原を止めようとしているのかも分からない。迫り来る彼らを押しのけようと、北原は顔を上げた。

そのとき、学生たちの顔が目に入った。

 暗闇の中ではあったが、北原にははっきりと感じ取れた。誰も彼もが、表情の無い表情をしている。目は黒いが、光が無い。焦点も合っているのか分からない。その表情が、北原を冷たく見つめ、説得しようとしている。

 北原は恐怖を覚えた。学生たちが、何かの異質のものに思えた。

「助けてくれ!」

 踵を返し、穴から這い上がろうとする。

 だが、穴の淵は思ったよりも頭の上にあり、一人で這い上がれる高さではなかった。加えて、腹の傷が北原の体力をほとんど奪っていた。

 それでも北原はもがき続けた。この場所にいたくないという思いの方が上回っていた。このままでは、学生たちに殺される。北原にとって、彼らはもはや恐怖の対象でしかなかった。

「来てくれ! ここだ!」

 聞こえ続けていた犬の鳴き声の方に向かって叫ぶ。

 学生たちは北原をもみくちゃにせんばかりに迫っている。各人が北原をつかみ、奈落の底へ引き摺り下ろそうとするかのように押さえつける。

 北原は脇腹が痛むのも意に介さず、体をくねらせて手を穴の上へと伸ばした。かろうじて地上に生えていた雑草をつかむ。力任せに引っ張ると、ぶちぶちと音を立てて切れてしまった。さらに手を上に伸ばす。

 と、誰かにその手をつかまれた。すると、まばゆいばかりの光が北原に降り注ぐ。体中にまとわり付いていた学生たちの手が一斉にすっと引いた。同時に、学生たちの気配が消え、面食らう間もなく北原は穴の上に引きずり上げられた。

 

                               <続く> 

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              2015.6.24号
              発行 FOREST ISLAND
              発行者: FOREST ISLAND
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