◆「返し」が下手な人は損をする
5月も終わり、新学期、新社会人をスタートさせた方々もそろそろ新しい生活に慣れた頃ではないでしょうか?
けれど、新たな人間関係が生まれると……
先輩や上司から、
「おまえって◯◯だよな!?」
「おまえは◯◯するよな?!」
「おまえって◯◯に似てるよな!?」
などとイジられた時、一体、どう返したらいいかわからない……。
という悩みをもつ人も多いのではないでしょうか?
4月中はイジりに対し、うまく返せなくても「まあ、新人だからしょうがないよな」と大目に見られていたかもしれません。
しかし、だんだんと組織のなかで周囲との関係が築かれていくこの季節、うまく返せないと「アイツってつまらないよな」「性格暗いよな」などと勝手にキャラ付けされてしまい、その後の人間関係、引いては生活や仕事に悪影響を及ぼしかねません。
一度築かれた人間関係を覆すのはひどく困難ですし、本当はおもしろい性格なのに、豊かな才能をもっているのに、返しが下手なばっかりに本来の自分が発揮できないのはとてももったいないことだと思います。
そこで今回は、先輩や上司のイジりを、効果的に返す方法をご紹介します。
◆「返し」は二者択一
あなたは、先輩や上司からイジられた時、普段、どんな返しているでしょうか?
いくつも答えは思い浮かんでいるのに正解がわからず、しどろもどろになって、結局どうしようもない返しをしてしまったことはないでしょうか?
そしてしばらく経ってから「あの時、ああ言えばよかったな……」と後悔したことはないでしょうか?
このように返しが人が下手な人は、「どう返したら迷う」という人が多いようです。
しかし、先輩や上司からのイジりに対し、迷う必要はまったくありません。
じつはたった2パターンを心がけているだけでうまい返しができるようになるのです。
そのヒントはテレビ番組に隠されています。
テレビ番組のスタジオは概ね、MC(司会者)、ゲスト、パネラーによって構成されています。
そして大概、MCがパネラーをイジる構図になっています。
これは先輩や上司が、後輩や部下をイジる構図に似ていますよね。
MCからイジられたパネラーの中には絶妙な返しができる人もいますし、逆にうまく返せず収録後、落ち込んで帰る人もいます。
私もパネラーとして出演する芸能人の方々に、MCからイジられた時、どう返したらいいのか相談されることが多々ありました。
とくに『うたばん』では若手芸人の方から「MCの石橋さん、中居さんにイジられた時、どうしましょう?」という質問を受けました。
石橋さん、中居さんはアドリブで絶妙なイジりをくりだしてくるので、若手芸人の方々は戦々恐々だったでしょう。
とくに『うたばん』では若手芸人の方から「MCの石橋さん、中居さんにイジられた時、どうしましょう?」という質問を受けました。
石橋さん、中居さんはアドリブで絶妙なイジりをくりだしてくるので、若手芸人の方々は戦々恐々だったでしょう。
そんな時、「こう来たらああ返しましょう」「ああ来たらこう返しましょう」といちいちたくさんの答えを用意しても覚えきれるわけがありません。
ゆえに私は、この2つだけを心がけてくださいとアドバイスするようにしていました。その2つとは……
「のる」か、「ツッコむ」かしてください。
つまり、
MCがパネラーをイジる=MCのボケ
なのです。
ボケだとしたら、そのボケに「のる」か、「ツッコむ」かの選択肢しかありません。
例えば、MCが、
「おまえ、辛いもん好きだよな? もう一ついっちゃう?」
などと、パネラーをイジってきた場合、それに「のる」としたら、
「大好きです! え? 逆におかわりしちゃっていいんですか?」
それに「ツッコむ」としたら、
「好きじゃないですよ! っていうか、こんなに辛いの食べられるはずないでしょ!」
というように、2パターンいずれかの返しをすればいいのです。
そして、MCとパネラーの関係は、先輩・上司と後輩・部下の関係と同じなので、返しも同様に「のる」か「ツッコむ」かの2つの選択肢から1つを選べばいいわけです。
しかも私たちはお笑い芸人の方々のようにプロではありませんから絶妙な返しをする必要はありません。
「のる」を選択した場合は、「ええ、そうですよ」とか「ですよね〜」など、「ツッコむ」を選択した場合は、「いやいやいや」とか「ちょっと!◯◯さん!」など、「のる」か「ツッコむ」かの“返しの態度”を示すだけで十分にその効果は表れます。
なので、あとはその場の空気を読んで、二択の内、一つの答えを選択すればいいわけです。
しかし中には「空気を読むのが下手だから2つの内、どちらを選べばいいかわからない……」という人がいるかもしれません。
そういう人は、とにかく「のる」を選択してください。
「ツッコむ」は空気を読むのも、タイミングも難しいです。
ですから2つの内、答えに迷ったらとにかく「のる」を選択すると、返しがうまくいく可能性が高いはずです。
◆「返し」を工学化し、気力も時間も有効活用
この返しの2パターンを覚えれば、先輩、上司からのイジりを今よりもずっとカンタンに対処できるようになるはずです。
なので、うまく返せなかったからといって「どうせ私は人付き合いが下手なんだ……」と落ち込んだり、「パワハラだ! セクハラだ」といちいち騒ぎ立てたりしていては、気力も時間もムダに浪費するばかりです。
気力や時間は有限です。
イジりの対処なんて”二択”だと割り切り、機械的に処理をして、その分の気力や時間を自分のために有効に活用してください。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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美濃部達宏(みのべ たつひろ)放送作家。コンテンツコンサルタント。
著書『なぜ、あなたの話はつまらないのか?』→Amazon.co.jp: http://p.tl/oY4E
お問い合わせ:info@nisshiki.co.jp
Twitter:https://twitter.com/minobetatsuhiro
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放送作家・美濃部達宏ブログ
美濃部達宏
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コメント
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(ID:296968)
銀魂やハルヒが流行ったのも、
新八やキョンのようにイキイキとツッコめる技術や立場がほしいという憧れから来ているのかもしれませんね。
変な人がいてくれて、わかってますよという態度でツッコめるのは気持ちが良いものだ