ども! イケダミノロックです。
2013年夏以降、俺は作家の大塚ギチくんや『ファミ通WAVE』の元編集長であるルパン小島さんと知り合い、一緒に飲むたびに「ミカドの事情やコミニティの移り変わりをアーカイブ化するべきだ」と勧められていた。
彼らが「アーカイブ化すべきだ」という理由はこれだ。
「今のゲームマスコミはシステム化してしまい、下火であるゲームセンターの情報を流しづらくなっているし、本流に対して逆張りしていくミカドの行動はリスクがあるため扱いにくい。大手ならなおのことだ」
そしてふたりは声を揃えてこう言った。
「なんにせよミカドは面白いんだから、自分でなにかを発信するべきだ」
ギチくんが書いた小説『TOKYO HEAD』はゲームやメーカーを賞賛するでもなく、あくまでゲームセンターに集う破天荒なプレイヤーたちをフォーカスした作品だし、ルパン小島さんは『ファミ通WAVE』という媒体で『ファミ通』の冠とはまったく関係ない珍企画に富んだ内容で好評を博していた。
今思えば、ギチくんの書いた小説は後に出てくるプロゲーマーを予見させるものだし、ルパンさんのやっていたことは現代のYouTuberそのものだ(ウォシュレットと戦ったYouTuberって他にもいるのかな?)。
つまり、彼らの行動は後々の世の中でFIX、オーガナイズされて新しいもの生み出すキッカケになっているかもしれないと俺は考えるようになった。
自分たちが今やっている企画や出来事が、将来の役に立つなら面白そうじゃないか。
そう思い、俺はふたりの意見に同意した。
「ミカドで起こった出来事をランキング形式にしてトークライブを配信してみたらどう? 『ゲーメスト大賞』みたいなものがない今の状況で、ミカドがそれをやればいい。古いゲームであっても、ミカドで人気なら大賞を取ってもいいんじゃない?」
ギチくんからこのように打診されて生まれたのが「ミカド大賞」だ。ちなみに「ミカド事件簿」ってもともとは「大賞」内の一コンテンツで、当初は通常月を「事件簿」、年頭を「大賞」というふうに使い分けていたが、2018年現在はあやふやだ(笑)。
「ミカド大賞」も「ミカド事件簿」も、最初の1年間は「高田馬場ミカド」の2階で実施してきたが、徐々に現地観戦勢が増加。フロアでの開催は店舗営業に支障をきたすようになったため、「ネイキッドロフト」に場所を移すことになる。
そして「ミカド事件簿」から派生したトークライブとして、今でも遊ばれ続けている古いゲームのコミュニティにフォーカスした「ミカド学園」が生まれた。〇〇勢の生い立ち、題材タイトルの最新攻略情報、大会の感想戦を紹介など、プレイヤーたちやゲームタイトルそのものに舵を切った内容となっている。ちなみに「ミカド学園」もギチくんのアイディア! じつは書籍化を予定もあり、かなり具体的なところまで話が進んでいたのだが、諸般の事情で残念ながら実現はしていない。
こうしたトークライブをはじめたきっかけは「ゲームマスコミにはできない企画の実現」という感じだったのだが、俺個人としては進めていく過程で目的が変わっていった。大会の実況と同じで、ミカドのプレイヤー(お客さん)を「認める」「賞賛する」「褒め称える」という、お店からのサービスであることに気がついたのだ。
学校も会社もツラいことばかり。せめてゲームセンターに来た時くらい、誰かに褒めてもらいたいじゃない? だって俺自身がそうだし。ゆえに、ミカドがある限りはトークライブを続けていきたい。
最後に。これは余談なんだけど、トークライブはサービスであると俺は考えているから、コメンテーターやゲストとして呼ばれるゲーム系トークライブがすごく苦手だ(笑)。喋りの調子も狂っちゃうし、司会の方に何か聞かれるまで黙ってるのもツラい! 正直今までに何度もオファーを断ってきた(笑)。
でも、それがゲームセンターのためになるのであれば、これからは積極的にそういう場に出ていきたいと思う。それほどまでにゲームセンターが元気がないからね。いつでも呼んでくれ!
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