今回は免疫と咀嚼についてみてみたいと思います。

昔から「よく噛んで食べなさい」と言われてきましたが、最近ではそれも様々な観点から裏付けられてきています。

まず噛まずに食べると何がいけないのか、というところですが

よく噛まないで食べる

食べ過ぎる

内臓脂肪が増える

免疫システムが正常に機能しなくなる。

という感じです。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな感じですが、それぞれなぜか見ていきたいと思います。



1.よく噛まないで食べるとなんで食べ過ぎになるの?
人間は食べ物を咀嚼すると脳に「物を食べている」ということが伝わり、ヒスタミンという脳内物質を出すことで満腹感を得るようになっています。(※1
これにより食べる量の調節ができるわけですが、よく噛まずに食べるとこのヒスタミンが十分に分泌されず食べ過ぎてしまう原因になるわけです。

ちなみに日常的に過食が続くと、食欲を減らして体型を正常にしようとするレプチンというホルモンを感じ取る脳の視床下部が傷つきレプチンへの感受性を低下させてしまいます。
こうなるとレプチンの制御が効かなくなり更なる食べ過ぎへと繋がり悪循環となっていきます。(※2

またよく噛まずに食べると咀嚼の時間が少ない分早食いになります。
早食いをすると血糖値が急上昇します。(※3)そして急上昇した血糖値を下げようとインスリンを放出しますが、このインスリンは実はレプチンの働きを妨害してしまうのです。(※4
こちらも大食いになる要因の一つというわけですね。

つまりよく噛まないとヒスタミンが分泌されない、レプチンを正常に機能させられなくなる。という2点によって大食いになってしまうってことなのです。



2.食べ過ぎると内臓脂肪が増えるの?
実は食べ過ぎるとなんで内臓脂肪が増えるのかっていうのはよくわかっていません。
しかし食べ過ぎると内臓脂肪が増えるというのは2019年の研究で明らかになっています。(※5
このあたりの仕組みはこれからの研究に期待というところでしょうか。



3.内臓脂肪が増えるとなんで免疫システムが正常に機能しなくなるの?
内臓脂肪というのは体内に慢性炎症を起こす要因の一つです。
慢性炎症を起こすと免疫系が過剰に反応してしまい暴れだしてしまうのです。
これにより免疫システムが正常に働かなくなります。(※6)


ということですね。
更に口内には独自の免疫活性システムが備わっていて、咀嚼することで口の免疫細胞を活性化させてくれることも期待されています。(※7
ただし噛みすぎると口内にダメージを与えてしまい炎症を起こしてしまう可能性もあるそうなので注意。

一口につき30回ほどかんで、最低30分はかけて食事をすることを心がけるのがいいでしょう。(※8


今はCOVID-19で世界中が混乱していますが、免疫力を高めて感染しても負けないように頑張りましょう!
もちろん感染しないことが一番良いので外出を控えた上で行うことを心がけてください!

つっしー


<参考>
※1 食欲の科学(ブルーバックス)
※2 脳をだませばやせられる 「つい食べてしまう」をなくす科学的な方法
※3 医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70
※4 脳科学者が教える 本当に痩せる食事法
※5 ドカ食いのせいで激増する「内臓脂肪」に立ち向かうための食事法とは?(パレオな男)
※6 体内に火事を起こして、あらゆる不調を引き起こす「慢性炎症」の話(パレオな男)
※7 よく噛んで食べると免疫システムが改善!するかも(パレオな男)
※8 医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68