今日、日本経済が停滞する中で、日本の都市再生による経済や文化の活性化が期待されてます。日本の首都東京は、1,300万人を超える巨大都市でありながら都市文化の魅力に欠け、アジアの都市間競争で遅れをとっていると言わざるを得ません。「経済だけで文化がないような都市では世界の人を惹きつけることはできない」とは、故森稔氏(前森ビル社長)の名言ですが、東京にはその文化の象徴が必要なのです。
東京の文化とは何でしょうか?それを語るには、その歴史に目を向けなければなりません。東京の前身は江戸であり、そのシンボルは江戸時代の徳川幕府の総本山江戸城でした。その江戸城にかつて三代にわたる荘厳な天守閣がそびえ立っていたことは知られていません。
この天守閣を復元することができれば、現代と未来の東京の魅力アップにさまざまな面で大きな影響を与えることは間違いありません。
まず第一に、東京の歴史・文化の象徴シンボルになり、日本の封建時代にさかのぼる江戸の歴史文化が現代に蘇ります。日本橋や東京駅の復元と相まって、東京の歴史・伝統を文化創造に繋げることができるでしょう。
第二に、東京の歴史・文化の魅力アップは、必ず観光振興、すなわち観光客増加につながります。今でも皇居は外国人観光客にとって都内第一位の人気スポットです。ここに天守閣が復元すれば、荘厳な姿が富士山や皇居の緑、そして丸の内のビル群と素晴らしいコントラストをかもし出し、観光立国日本のシンボルとなるに違いありません。
第三に、天守閣再建は防災やバリアフリー機能以外は、日本の伝統建築技術の継承のためにも、出来る限り設計図通り木造での完全復元を目指すべきです。そして、その工事プロセスも全て一般公開し、観光資源化すべきでしょう。日本の伝統技術を復活し、世界にアピールして継承していく良い機会となるのは確実です。
最後に、江戸城天守閣復元は、歴史を学び、現代に生かし、将来の平和のシンボルに昇華させていくという、この国のかたちを創造することに繋がります。日本国の宝として伝承していくことで、私たち日本人のアイデンティティを取り戻すものとなるでしょう。
このように、国際都市東京に江戸城天守閣が復元することで、日本が東京が大きく変革し、新たな発展が期待できるのです。
次に、この江戸城天守閣復元をどのようにして実現していくのか。私はまず広く国民運動を起こし、賛同者を集め、そして再建資金は賛同する個人、企業、団体からの寄附を募って当てるべきだと考えます。行政が税金を使って造るのではなく、共鳴する都民、国民、企業団体の「民の力」によって実現してこそ意義があると思います。私たちの夢を私たちみんなの意志と協力で実現していく。こうした実践こそが、国民のアイデンティティと文化を創り上げていくものと信じています。
こうした視点で、私たちは江戸城天守閣復元の意義と実現に向けての方策を訴え、実行してまいります。
なお、江戸城天守閣復再建については、その推進を目的にしたNPO法人「江戸城の再建を目指す会」が既に積極的な活動を展開しており、私も全面的支援していきたいと考えております。
どうか、都民、国民の皆さん、私たち日本国の首都東京の再生のために、江戸城天守閣復元運動を推進していきましょう。