麻雀最強戦ブロマガ

麻雀最強戦2015女流プロ代表決定戦・菊の陣B・決勝卓レポート

2015/07/09 19:00 投稿

  • タグ:
  • 麻雀最強戦
  • 近代麻雀
  • 女流プロ代表決定戦・菊の陣
  • 松岡千晶
  • 井上美里
  • 魚谷侑末
  • 池沢麻奈美
和泉、4年越しのファイナル進出!!

優勝候補筆頭・魚谷がまさかの敗退!
オトナの雰囲気が漂う組み合わせだったA卓に比べ、B卓は池沢麻奈美・井上美里・魚谷侑末・松岡千晶というフレッシュなメンバーとなった。注目は女流№1雀士で今回も優勝候補筆頭の魚谷と、その魚谷が早くからその実力を認めている池沢との対決である。ただ、松岡にしても最強戦ガールの頃からはずっと地力をつけており、また井上も昨年のファイナルの借りを返すべくここに臨んでいる。ワンミスが命取りになるのはこの対局でも同じであろう。

序盤はジャブの応酬。そのなかから最初に抜け出したのは優勝候補筆頭の魚谷だ。
86a27ed9de7d24dd97f1b02da68837a1aa9e0a4c

pai_s_hatsu.jpgポンテンのpai_s_4p.jpgpai_s_7p.jpg待ちのホンイツテンパイを入れる。
e8608fe44d64ac86af257c4ae1a2edd8104c4052

一方、井上もテンパイで追いつく。
fd4d515c4c4f1b9072b4f40a2192695b5f7f06a2

pai_s_4m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_chun.jpgpai_s_chun.jpgpai_s_chun.jpg ツモpai_s_4m.jpg ドラpai_s_2m.jpg

ここでツモり三暗刻を選択していれば放銃は回避できたが、役牌暗刻ということもあり井上はリャンメンに受けを選んで打pai_s_4p.jpg。これが魚谷へ5800は6400の放銃となった。


東4局4本場では松岡が2巡目リーチ。
af1123e0ea13386aa9c310f23ec9054c2d74957f

ドラがpai_s_1p.jpgだけに色々な変化を待ちたい形だが、松岡は2巡め親リーの威を優先させた。この決断がバッチリ決まりpai_s_4p.jpgツモ。裏ドラpai_s_6m.jpgを乗せて4000オールのアガリとなった。
5eff344735eef2688b78b6b697a17b6128037dfe

松岡・魚谷がリードで東場終了。トップは松岡だが、魚谷もこのトーナメントには滅法強く、勝ち方を心得ているだけにこのまますんなりかと思われた。だが、南入で親を迎えた井上が一気にマクっていった。

南1局1本場
pai_s_haku.jpgpai_s_hatsu.jpgとポンしてホンイツドラ2。18000のテンパイを入れる井上。
fe1b4fc5813fff0754eba059ed6748471ddb370a

ラスめ・池沢もタンピンドラ2のテンパイでpai_s_chun.jpgを勝負してリーチ。
7d24fbc3bfc00f8c59f2dcbb329c776c599dc771

6874f077a8e5aded5be4185c4814dcb436acb28a

pai_s_chun.jpgは直前に捨てていて鳴かれなかったとはいえ、小三元の単騎待ちは十分可能性があるが、ここは勝負を賭けて前に出た。が、結果は池沢がpai_s_4s.jpgを掴んで親っパネの放銃。これで池沢はハコ下へ沈んだ。
e599fdc71fbbdfc3cd1a51d6a6e6a8b59604a086


この放銃は3着めに落とされた魚谷も痛かった。だが、魚谷はこの局については反省材料があったようである。魚谷6巡目の手が次の形。
18fb18f0676dc266ae6f1294c907790ac4f8b6c7
実はこの直前、上家の池沢からpai_s_7s.jpgが捨てられていたのである。これをチーすればpai_s_chun.jpgバックのイーシャンテンには取れていた。その場合、pai_s_chun.jpgがすぐ暗刻になってテンパイ。「すでにソーズをきりたくなかった」という魚谷の発言からpai_s_4s.jpgpai_s_7s.jpg待ちになっていただろう。おそらくあっさり井上の親を流したか、少なくとも18000が飛び出した可能性はほぼなかった。魚谷としては悔いの残る一局となった。

南2局5本場
南場に入って6局。なかなか親が流れない状況を松岡はどう思っていたのか。局が進んでいつの間にか自分のトップめもいつの間にか井上にかわされている。3着にはまだ親のある魚谷がいるというのは松岡にとってもかなり寒い状況なのである。

そこに2巡目にチートイツの東単騎のテンパイが入る。
a4853541d83d9c99941c05b2c75a56dd0f5ee838

この決断に対しては「池沢・魚谷が退かない状況ゆえに、松岡のリーチはリスクが高い」と危ぶむ意見も多く、対局後に松岡自身も色々なアドバイスを頂戴したようである。この判断についてはどちらも考え方もあるだろうが、両者にメリットデメリットがあるものなので一方が絶対に正しいという訳ではないだろう。仮に魚谷に追いつかれる前にあっさり東をツモって裏ドラでも乗せようものなら、それが決勝進出への決定打になるからだ。

この局は、本当に魚谷がやってきた。危惧していたことがまさに現実となったのである。
b8891dbf73e827b3377a76c9620902111bc6e19c

結果は松岡が競り勝ち、魚谷からpai_s_ton.jpgの直撃に成功した。結果的にはこのアガリが決勝進出への決定打となった。この後、親になった魚谷は池沢の援護もあり2本場まで連荘するも松岡・井上を逆転するに至らず、何と大本命が決勝に進めないという波乱が起こったのである。



これにより、決勝は愛内・和泉・松岡・井上という組み合わせとなった。A卓を勝ち上がった和泉はソファーに体を沈め、ずっと休んでいた。よほど疲れていたのだろうか? 決勝戦開始の直前数分前まで目を瞑ったままだったが、スタッフに声をかけられた和泉はスッキリした表情で起き上がった。

決勝戦がはじまる。
松岡が1000・2000、300・500と軽快に飛び出した。続く東3局も、井上のpai_s_sha.jpg単騎チートイツのリーチに対し、カンpai_s_4p.jpg待ちで追いついた松岡は果敢に追っかけリーチをかけたが、こちらは井上の勝ち。ツモったpai_s_sha.jpgがそのまま裏ドラとなり、井上が頭1つリードした。
5a34e5a46ff73bbd5414ada74d5a2ecc96ae213d

予選と同じく、決勝でもなかなか先手を取れない和泉。
a9d26420efd62a18c844b1fa85faf02357e651cd
東4局の親でもテンパイが遅く、13巡目で2シャンテン。仕方なくオタ風のpai_s_nan.jpgをポンして形式テンパイへ向かう。
f5f01bea1bbba2fe00b78b956f801c917084ae8b

和泉のこういう動きはあまり見た記憶がなかった。雀風が変わったのかな? とも思った。
和泉「こういう仕掛けはあんまり好きじゃないですが…この時はあまりにもツモがきかず、このままだとノーテンで親が終わっちゃうと思ったので、早めに動きました。雀風を変化させたつもりはないです」

だが、この判断が良かった。仕掛けでテンパイを入れ連荘できたことが、次局の4000オール(メンピンツモドラ2)へと繋がった。
8fa5c7c26178fd7078db55e5c39f35d214427e3b


続く次局。親の和泉の手にダブpai_s_ton.jpg暗刻。いよいよ乗ってきたか~、という感じだったがそこへ井上・松岡が立て続けにリーチをかける。その一発目、和泉は無スジのpai_s_9p.jpgツモ。これは松岡へのロン牌である。
b98cd3319ce793e0b738bc610a368c178583b539

ドラpai_s_8m.jpgも1枚あり、イーペーコーや三暗刻などの手役も絡められそう。私の脳裏には強気にpai_s_9p.jpgを通す和泉の姿しか思い描けなかった。強気に押して松岡に放銃。でも当然の押しだろう、みたいなことを考えていたのだ。だが、現実は違った。何と和泉は松岡の現物のpai_s_2p.jpgを捨ててオリたのである。

和泉「アガったあとのダブpai_s_ton.jpgアンコなので、ものすごーく行きたかったですが、2軒リーチの一発目に両方の無筋は行けませんでした。この局だけではなく、この日は全体的に弱々しい麻雀を打ってたなと思います。たとえ放銃しても、pai_s_9p.jpgを叩ききった方が自分らしい麻雀だなと思います」

そのまま南入。和泉は東場と同じような手、同じpai_s_7m.jpg待ちで満貫を決める。
30114833b988211296ab4bfeff84ff61c4b5ba35

和泉「突然手が入って、『なんでアガれたんだろう??』と思ってました(笑)」

南3局。和泉は自身がラス親だけに、この松岡の親が最後のハードルとなる。
259992ff539a94625c338ca32fa85bbd4bb77b53

が、アガリさえすればよいところで和泉は食いタンのチーテンをかけなかった。
6b41ee9eabd8ed7cbf7f6fad63bf99556dc78c66
そもそもこの手で強気にいくなら、pai_s_haku.jpg切りの前にドラのpai_s_6p.jpgをさばくという手もある。ま、テンパイまでドラを切らないにしても、この形で上家から出たpai_s_2m.jpgにチーテンをかけなかったのは少し驚いた。理由は当然ドラを切りたくないということなのだろうが、それにしてもかなり慎重な構えといえる。

和泉「この日は弱気モードだったんです。ドラとか切れません! pai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpgの方が薄かったので、そっちが出たら勇気だして切ろう!と思ってましたが(笑)」
この後、愛内がピンズのメンホンでリーチ(pai_s_sha.jpgのアンカンつき)。
913bca60dcabc22b57c1b35f18dfda558f85c4a6

0e84d4d96d4c8ea3c83e81391f5f2a965754e307
こうなれば和泉は愛内に局流しを任せる一手。愛内が松岡の親を流してくれればそれに越したことはないからだ。だが、松岡がピンズを押し返すがロンの声はかからない。そしてついにホーテイで出たpai_s_1p.jpgにも愛内はアガリを宣言しなかった。
eaeff29c422903f036e7272690669e4cde163531
この見逃しをみた和泉はフリーズ、しかもかなり長い間である。もちろん、愛内がpai_s_1p.jpgを見逃した理由を把握するためである。

和泉「『これはまずい。ものすごーくまずい』と思ってました(笑) 見逃された人は手が入ると思ってるので、これは完全に捲られる流れだなと思いました。実際そのあと7700のアガリだし」

命拾いした松岡は次巡リャンペーコーをアガって和泉のトップに迫ってきたのである。


そしてオーラス、松岡は満貫ツモで優勝というところまで迫ってきた。12巡目、その松岡が条件を満たすテンパイを入れる。
beb717039629cb347f65a00cd2adfc29a0c9fd9d
これならツモか和泉直撃で逆転する。pai_s_3s.jpgはすでに4枚みえだがpai_s_6s.jpgはまだ生きている。問題はリーチをかけるか否か、だ。リーチをかければ一発か裏ドラが必要で、その場合は和泉からの直撃は非常に難しくなる。だが、皮肉なものでこのpai_s_6s.jpgがすぐに「行くしかない井上」から放たれた。これをみた松岡は次巡にツモ切りでリーチをかけた。薄すぎる待ちゆえ、もう見逃す余裕はない。出たら裏ドラに賭けるつもりで松岡はテンパイを宣言したのである。

この直後、和泉にもテンパイが入る。
9b100faecee26638393ee6eed4329039d2e1db70
アガれば優勝、あと5巡をしのいで流局でも優勝である。もちろん放銃すれば、ほぼ逆転されるだろうが、ツモられてもマクられる可能性は高い。皆さんならどうするだろう? たとえばここでオリた後に他家からpai_s_1p.jpgpai_s_4p.jpgを打たれてアガリを逃し、その上松岡にツモられでもしたらしばらくそのショックから立ち直れないはず。役なし愚形テンパイならそれも已む無しと思えるが、こちらもそれなりに勝算のある待ちなのである。

正直、和泉はここは前に出ると思った。が、この日の和泉は違った。我慢する道を選んだのである。

和泉「何度も言いますが、弱気モードなんです(笑) 本来なら、pai_s_5s.jpgを打って自分でアガりきって優勝を決めたかったなと思います。ただ、この日はそういう麻雀を打ってなかったし、最後だけ行くと一貫性が無いかなとも思うので、あの日はアレが精一杯だったんだなと思います」
松岡がツモる度に心臓が締め付けられる思いだったに違いない。が、松岡が最後のpai_s_6s.jpgを引き寄せることはなく、和泉が4年越しのファイナルの切符を手に入れた。

468e7dd712f59314a3f72d7d143e7c9b7f054fae

和泉「本当に本当にものすごーく嬉しいです! ちょっとウルウルしましたもんね(笑) ただ、この日の麻雀には全然納得いってないですし、ホントにたまたま勝たせてもらっただけだなと思ってます。これじゃファイナルでは通用しないと思うので、半年間きっちり、麻雀とメンタルを整えて臨みたいと思います」

2011年春。新人だった石井あやが女流プロ代表決定戦を制した夜、その対戦者だった和泉は自分の闘牌を悔いていた。その数ヵ月後、敗者復活戦では決勝卓に進むも藤崎智に破れ、その年のファイナルではリザーバー(棄権者が出た場合に繰上げ出場できる)を務めることになる。以降、ファイナルまであと一歩が届かない年が続いた和泉だったが、ついに勝ち上がりを決めた。数日前、久々に神社にお参りへ行ったご利益が早速、訪れたのであろうか? 和泉が最強位に輝いた暁には、ぜひその神社も取材させていただくことにしよう。

ブロマガ会員ならもっと楽しめる!

  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
麻雀最強戦ブロマガ

麻雀最強戦ブロマガ

麻雀最強戦

月額:¥880 (税込)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

麻雀最強戦チャンネル

麻雀最強戦チャンネル

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細