夏目漱石の「行人」の中に次のような一節がある。 父には人に見られない一種剽軽(ひょうきん)な所があった。或者は直(ちょく)な方だとも云い、或者は気の置けない男だとも評した。 「親爺は全くあれで自分の地位を拵えあげんたんだね。実際の所それが世の中なんだろう。本式に学問をしたり真面目に考えを纏めたりしたって、社会ではちっとも重宝がらない。唯軽蔑されるだけだ」
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:15996820)
夏目漱石の「行人」の中に次のような一節がある。
父には人に見られない一種剽軽(ひょうきん)な所があった。或者は直(ちょく)な方だとも云い、或者は気の置けない男だとも評した。
「親爺は全くあれで自分の地位を拵えあげんたんだね。実際の所それが世の中なんだろう。本式に学問をしたり真面目に考えを纏めたりしたって、社会ではちっとも重宝がらない。唯軽蔑されるだけだ」