KUBOTA のコメント


 12月6日(土)にさいたま市の大宮駅西口で行われた日本共産党の演説会を,選挙の定点観測がてら見学した.ここで気がついたのは,道路の周囲および回廊式高架歩道橋の上に集まった大勢の応援者や聴取者の背後を,取り囲むように点々と並んだ警察関係者の異常な多さで,大きな違和感を覚えた.

 目立ったのは,「埼玉県警」のネームが胸ポケットの上に小さく入った制服の警察官の方々であったが,周囲のビルを見渡せばマスクをした私服の警察官とおぼしき方々が非常階段などそこかしこに立っていて,制服・私服も含め男性・女性の警察官が異常なほど多数見えた.

 通行者や聴衆の安全を確保する目的と考えてもその数が異常に多すぎるし,その雰囲気はは聴衆を見張る・威嚇する目的のように感じた. 12月10日から国民の多数が反対をしている「特定秘密保護法」の施行強行が危惧されているが,その「意図を察して」の予行演習のような印象を受けた.

 この「意図を察して」とか「おもんばかって」の,普通の人々のちょっとした行為が大きな問題で,「孫崎」さんが12月7日付けの意見で述べておられる,選挙期間中の大学の対応もそのひとつだろう.

 悲しいかな,大学と大学人そのものが,「民主主義」や「言論の自由」「学問の自由」を本当には理解してなく,知識人を標榜するが,権力を持った人達の意図を優先的におもんばかる,萎縮した方々の産業に残念ながら,なりかかっているのだろうか.このような「おもんばかり」思考の従順さ素直さ狡猾さが,結果的に民主主義の圧迫,過去に経験をした一億総火の玉の,不幸な未来社会へつながっていくことを大学人・知識人は学習をしていないのだろうか.

 投票率の低下,選挙への関心の低下が懸念されているが,結局は,言論の自由を保障し,口角泡を飛ばすような討論お祭り騒ぎになってしかるべきと思われる選挙戦に,冷水を浴びせかけるような,あれも駄目,これも駄目式の「公職選挙法」のもとでは人々の関心が高まる訳がない.もちろん買収など不正は厳しく取り締まる必要があるが,現在は関心を低下させることで政権を維持させる思惑が透けて見え,また言論人やメディアもこの矛盾には,何かにおもんばかってなのかあまり言及をしない.

 少なくとも無味乾燥なきれい事を並べるだけのようなTV映像の放送ではなく,例えば,随分以前に実施されていた,選挙区ごと候補者一堂に会しての討論会を各地で復活開催するほか,その討論会をインターネット配信するように工夫すれば,候補者の資質も政策も問題点も一目瞭然で理解できる訳で,投票への関心も増す筈だ.

 ここ長い間,選挙戦になっても,選挙期間中に候補者の肉声が聞こえることが少なくなっている.本当に選挙が行われているのかわからなくなる事が多く,東南アジアの人々のお祭り騒ぎのような選挙戦が,自由で羨ましくまた人間的に感じられて仕方がない(2014年12月7日).

No.7 121ヶ月前

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