KUBOTA のコメント

 ライフやイオン,イトーヨーカ堂などが加盟する「日本チェーンストア協会」(全国60社9,228店舗)の,消費税額を含まない販売金額の統計は以下の通りで,2014年4月からの消費税8%増税後の販売金額は,3ヶ月連続して前年同月比でマイナスの結果が出ていて、消費減少で景気は良くなるどころか悪くなっている結果が示されている.この結果は総務省の家計調査の結果と整合的である.

  2014年4月 前年同月比 マイナス▲5.4%(平成26年5月21日発表)
  2014年5月 前年同月比 マイナス▲2.2%(平成26年6月23日発表)
  2014年6月 前年同月比 マイナス▲2.8%(平成26年7月22日発表)

 テレビなどマスメディアに登場する経済学者や経済の専門家と称する方々の多くは,増税前の駆け込み需要の反動減で消費は一時的に減少するが6月には上昇に転じる要旨の,政府の思惑に調子を合わせたかのような意図的?な楽観予測を論じていたと記憶するが,現在の実態経済の推移を見る限りではマイナスが固定化して来ている印象を受ける.

 給料が上がるなどと景気の良い事を言っているのは,消費税増税の裏で減税の恩恵などを受ける一部企業の正社員や公務員の人々のみで,大半の人々は「消費税増税」と「物価上昇」のダブルパンチを受けているのが実際で,今後に消費・景気が上昇する道理がない.むしろ,さらなる下請け発注単価の圧縮の話も聞いている.(2014年7月31日)

No.5 123ヶ月前

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