貧困に二種類ある。一つは社会的不平等による運命づけられた階級格差、他の一つは不法移民などによるものとか、競争による落伍者と分けて考える必要があるのではないか。どちらかと言えば、米国などは後者であり、イスラム社会における貧困は前者によるものではないか。一人の人間として考えるとき、あきらめのつく貧困とあきらめの付かない貧困では、大きな差が出てきます。米国はじめEU諸国が、自国の利権が確保できないときは、民族を二分化しやすい国の政府を転覆させようとして、貧困層組織に様々な支援をして、貧民層のテロ、デモなど様々な手段で政権を揺さぶるのです。階級格差の上に宗教の対立がからんでくると、複雑化に拍車がかかり、問題解決は、簡単ではない。領土だけの問題であれば、確かに放棄することも選択肢に入るが、手放すことによって米国式システムが勢力を増すということになれば、中国の力が衰退することにつながり、大きなジレンマでもあり得るのではないか。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
貧困に二種類ある。一つは社会的不平等による運命づけられた階級格差、他の一つは不法移民などによるものとか、競争による落伍者と分けて考える必要があるのではないか。どちらかと言えば、米国などは後者であり、イスラム社会における貧困は前者によるものではないか。一人の人間として考えるとき、あきらめのつく貧困とあきらめの付かない貧困では、大きな差が出てきます。米国はじめEU諸国が、自国の利権が確保できないときは、民族を二分化しやすい国の政府を転覆させようとして、貧困層組織に様々な支援をして、貧民層のテロ、デモなど様々な手段で政権を揺さぶるのです。階級格差の上に宗教の対立がからんでくると、複雑化に拍車がかかり、問題解決は、簡単ではない。領土だけの問題であれば、確かに放棄することも選択肢に入るが、手放すことによって米国式システムが勢力を増すということになれば、中国の力が衰退することにつながり、大きなジレンマでもあり得るのではないか。