① まず電力会社に原子力発電施設と核燃料の残存簿価、廃炉引当金の不足額に当たる株式を発行させ、それを政府が買い取ります。
② そのうえで、電力会社を発電会社と送配電会社に分離し、原発を電力会社から切り離して、すでに事実上破綻している日本原子力発電に集めることが大事です。日本原電は基本的に廃炉専門会社になります。もし少数の原発を動かすことになったとしても、少なくとも電力会社の経営事情に左右されずに、高い安全基準を設定して時間をかけて原発の安全性を見ることができます。
③ 一方、原発=不良債権を切り離すことで電力会社の経営は健全になり、電力会社に多く貸付けている銀行はこれで不良債権を処理することができます。
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無責任と逐次投入の果てに(2) ――エネルギー基本計画の問題点は何か
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1765676.html
慶應大学 経済学部教授 金子勝先生のブログです。
原発の発電コストが高くて総括原価方式なくしては成り立たないということは常識ですので、
ここでは「ではどうすれば良いのか。」というところの部分をコピペします
ここより、引用
「私は、拙著『原発は火力より高い』(岩波ブックレット)において、50基中28基を廃炉にして、2兆円の安全投資、10兆円の賠償・除染費用、28基分の廃炉費用を乗せて、政府のシミュレーション方式を使って試算したところ、原発の発電単価は17~35円/kWhになりました。火力のおよそ2倍です。もはや原発の経済性は全くないと言ってよいでしょう。
問題はこの廃炉費用を経済産業省の省令だけで電気料金に乗せられるようにしたことです。それによって、料金負担は新電力と契約できない家庭(国民)や自家発電を持たない中小企業にかかってきます。原発は不良債権そのものであり、その抜本的処理が必要なのです。
そのためには、以下の手続きが必要です。
① まず電力会社に原子力発電施設と核燃料の残存簿価、廃炉引当金の不足額に当たる株式を発行させ、それを政府が買い取ります。
② そのうえで、電力会社を発電会社と送配電会社に分離し、原発を電力会社から切り離して、すでに事実上破綻している日本原子力発電に集めることが大事です。日本原電は基本的に廃炉専門会社になります。もし少数の原発を動かすことになったとしても、少なくとも電力会社の経営事情に左右されずに、高い安全基準を設定して時間をかけて原発の安全性を見ることができます。
③ 一方、原発=不良債権を切り離すことで電力会社の経営は健全になり、電力会社に多く貸付けている銀行はこれで不良債権を処理することができます。
④ 国が買い取った電力会社の株は、原発を切り離して健全化した電力会社が買い戻してもいいし、一般に売却してもいい。少なくとも国民や中小企業が負担を負うことなく原発を処理することができるようになります。
経産官僚や古い産業構造を代表する経団連の一部リーダーの無責任体制を守るために、コストが異常に高い原発を再稼働して、産業構造の転換に遅れれば、「失われた30年」になってしまいます。
原発=不良債権の処理を急がないといけません。」
以上です。
私も全くその通りだと思っています。