中庸左派 のコメント

急な展開であるため、多くのオルタナティブメディアは戸惑っている印象である。

しかし、潮流としては、大イスラエル建設とパレスチナ抹消=二国家解決崩壊に資する動きだろう。

アラブ諸国は、親パレスチナを言いながらも、結局はパレスチナ人を助けるより、抵抗枢軸=シーア派らを封じ込める意図に見える。

Moon of Alabamaは、シリア・アサド政権崩壊について次のように書いた。

-------引用ここから-------

過去数ヶ月間、シリア同盟国であるイランとロシアは反体制派とアサド政権の間の妥協点を探ってきた。結局、両国はバッシャール・アサドの頑固さを克服できなかった。両国は罠にかけられていると感じ、それに引っかかることを拒否した。

シリアは今や崩壊しそうだ。報復として多くの血なまぐさい行為が起こるだろう。大勢の人々が避難を求めるだろう。

「抵抗の枢軸」は主要な連結棒を失った。イランとレバノン間の物流は極めて困難になるだろう。

しかし、抵抗は続くだろう。

-------引用ここまで-------

https://www.moonofalabama.org/2024/12/syria-falls.html#more

元外交官で歴史家のイギリス人、クレイグ・マレーという人は「中東では、本当に劇的な変化が急速に起こっているようだ。その核心にあるのは悪魔の取引だ。トルコと湾岸諸国は、シリアとレバノンのシーア派少数派の絶滅と東アラブ世界へのサラフィー主義の押し付けと引き換えに、パレスチナ国家の絶滅と大イスラエルの創設を受け入れている。」と書いた。

https://www.craigmurray.org.uk/archives/2024/12/the-end-of-pluralism-in-the-middle-east/

Indian PunchlineのMK BHADRAKUMAR氏は次のように「シリアにおける勝者と敗者」を評価している。

-------引用ここから-------

イスラエルとトルコは、アルカイダグループとのつながりを確立した最大の勝者だ。両国ともシリアに勢力を拡大し、シリア領内でそれぞれの勢力圏を確立する態勢が整っている。トルコはシリアはシリア国民だけのものであるべきだと主張している。これは、外国軍(ロシア、アメリカ、イラン)の駐留中止を求める薄っぺらな呼びかけである。

同様に、バイデン政権は、ロシア軍の存在が今後抑制されないままになることはなく、シリア西部ラタキア県のモスクワの軍事基地の影響力が大幅に低下するという耐え難い状況が続くだろうという満足感を得ることができるだろう。

(中略)

問題の核心は、抵抗グループ(主にシーア派)が舵を失い幻滅するにつれ、イランの地域的影響力が大幅に減少することだ。これはイスラエルに有利に働くだけでなく、地域の力関係の変化も引き起こす。

-------引用ここまで-------

ここに来て、ますますイスラエルの思惑どおりに状況が推移している印象が強い。

No.1 3日前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細