あまり焦点のはっきりしない調査だと感じる。31カ国の成人2万4269人ということだと、国別に均等にわりふっていたとして、一国あたり780人くらいということになる。インターネット上の調査ということになると、年齢階級別のわりふりがどうなっているかも気になる。また、日本語(コロンビア語(スペイン語というべきなのかもしれないが現地のニュアンスというものもあるだろう))の「愛されている」(コロンビアで調査につかわれた対応語)の使われ方についての分析も必要ではないか。 なにかを「明らかにする」というのなら、このあたりでも最小限と言ったところだろう。まして一国のなかで年齢階級別になにかを論じるならともかく、国別に順位をつける意味がわからない。 しかしこういう焦点のはっきりしない調査はけっこう目にする。わたしは「ロールシャッハテスト」と呼んでいる。ロールシャッハテストというのは、精神医学でもちいるテストで、意味有りげな図形をみせて、被験者に「なにに見えますか」と聞くのである。なにがわかるかというと、図形が真になんのかたちなのかではなく、被検者の心理傾向、ときには検者のほうが望む結論である。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
あまり焦点のはっきりしない調査だと感じる。31カ国の成人2万4269人ということだと、国別に均等にわりふっていたとして、一国あたり780人くらいということになる。インターネット上の調査ということになると、年齢階級別のわりふりがどうなっているかも気になる。また、日本語(コロンビア語(スペイン語というべきなのかもしれないが現地のニュアンスというものもあるだろう))の「愛されている」(コロンビアで調査につかわれた対応語)の使われ方についての分析も必要ではないか。
なにかを「明らかにする」というのなら、このあたりでも最小限と言ったところだろう。まして一国のなかで年齢階級別になにかを論じるならともかく、国別に順位をつける意味がわからない。
しかしこういう焦点のはっきりしない調査はけっこう目にする。わたしは「ロールシャッハテスト」と呼んでいる。ロールシャッハテストというのは、精神医学でもちいるテストで、意味有りげな図形をみせて、被験者に「なにに見えますか」と聞くのである。なにがわかるかというと、図形が真になんのかたちなのかではなく、被検者の心理傾向、ときには検者のほうが望む結論である。