私は、巨視的に考えると、これまでの自民党による統治が行き詰まりに来ている兆候だと考えている。結果的に、政界再編になるのか、政権交代になるのかは、分からない。 しかし、物価高と実質賃金の低下という経済状況は、西側世界共通であり、庶民の不満鬱積の原因である。日本も例外ではない、ということだ。 日本の場合は、その西側世界全体での経済的不安定に加え、自民党統治の腐敗堕落が庶民の怒りを増幅しているということだろう。一方、アメリカ帝国や欧州では、移民問題が大問題となっているわけである。 何れにせよ、これまでのアメリカ帝国を筆頭とする西側世界によるシステム・ルールによる秩序が崩壊しつつある。そのような現実の中で、その影響を受けて、自公政権が行き詰まりを見せている、という認識を持つべきではなかろうか? より具体的に、アメリカ帝国ら西側の失敗を見るなら、ウクライナ戦争での敗北があげられる。 https://www.corriere.it/esteri/24_ottobre_09/zelensky-roma-meloni-guerra-da2c18e7-937e-41d5-ac18-91045b3b7xlk.shtml https://www.rt.com/russia/605528-peskov-ukraine-ceasefire-readiness-report/ 以下は、RTからの引用である。 -------引用ここから------- ウクライナ大統領がヨーロッパの首都歴訪の一環としてローマを訪問するのを前に、コリエレ・デラ・セラ紙は、政治的な理由からゼレンスキー大統領は、ロシア連邦の一部であり、モスクワの全面的または部分的な支配下にあるドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポリージャ州、ヘルソン州、クリミアに対するキエフの領有権を公式に放棄することはできないと報じた。しかし、イタリアの日刊紙によると、ウクライナ大統領は「西側諸国の約束と引き換えに、新たな公式国境を承認することなく、現在の境界線に沿った停戦に応じる用意がある」という。 (中略) コリエレ・デラ・セラ紙は、ウクライナ大統領の姿勢が軟化したとされる理由として、9月にロシア軍がドンバスで進撃を加速させたことと、ウクライナ軍が現在、兵力と火力で劣勢にあることを挙げた。 -------引用ここから------- 上記イタリア日刊紙によると、ウクライナ軍は劣勢なのである。それ故に、ゼレンスキーは停戦を視野に入れざるを得なくなっている、と。大本営発表を鵜呑みにする日本のB層の思考力の限界の外に、世界の現実がある。 しかし、そんな日本のB層でも、物価高と実質賃金低下の主犯は政権与党であり、その一方で長期政権の澱み、腐敗堕落脱税自民党議員がのさばっているようにしか見えないことは、怒りの矛先が政治に向く契機にはなっているようだ。 おそらく、日本のB層は、ウクライナ戦争が物価高や実質賃金低下の原因である、という理解には至っていないだろう。愚かなアメリカ帝国ら西側のウクライナ支援がジブンでジブンのクビを絞めるだけであること、即ち経済制裁や戦争を長引かせることが、徒に経済的負担や困窮化につながり、西側の没落の加速化をしているだけであることも。 それでも、ウクライナが敗北確定であることは、事実現実だ。そして、その事実現実がアメリカ帝国ら西側世界に及ぼす影響も避けられないだろう。 エマニュエル・トッドの近著『西洋の敗北』のイタリア語版が出版された際、同氏によるイタリア人からのインタビューでの発言を以下に引用する。 https://corrieredibologna.corriere.it/notizie/cultura-e-tempo-libero/24_ottobre_07/l-antropologo-emmanuel-todd-se-l-ucraina-perde-la-guerra-a-vincere-e-l-europa-ba506b61-22dc-4fb2-b9c5-9445461e7xlk.shtml 「この戦争の結果がヨーロッパの運命を決定することになる。もしロシアがウクライナで敗北すれば、ヨーロッパのアメリカに対する従属は一世紀にわたって続くことになるだろう。私が信じているように、米国が敗北すれば、NATOは崩壊し、ヨーロッパは自由になるでしょう。ロシアの勝利よりも重要なのは、ドニエプル川でのロシア軍の停止と、プーチン政権が西ヨーロッパを軍事攻撃することに消極的であることだ。人口が1億4,400万人、人口が減少し、面積が1,700万平方キロメートルのロシア国家は、すでに領土を占領するのに苦労している。共産主義以前のロシアの国境が再構築されれば、ロシアには拡大する手段も意欲もなくなるだろう。ヨーロッパにおけるロシアの拡大への願望を空想する西側のロシア嫌悪のヒステリーは、真面目な歴史家にとってまったくばかばかしいものである。ヨーロッパ人を待ち受ける心理的ショックは、NATOが我々を守るために存在するのではなく、我々をコントロールするために存在していることを理解することだろう。」 ①ウクライナ敗北=NATO崩壊=欧州解放、②ロシアによる更なる西側進攻は、「真面目な歴史家にとってまったくばかばかしい」ものである。この二点がトッド氏の発言のポイントである。 ウクライナ敗北は事実現実であるから、トッド氏の予想に従うなら所謂西側世界、即ちNATOの“崩壊“は時間の問題だろう。 そんな世界史的潮流の中で、私は今度の衆院選を眺めている。
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私は、巨視的に考えると、これまでの自民党による統治が行き詰まりに来ている兆候だと考えている。結果的に、政界再編になるのか、政権交代になるのかは、分からない。
しかし、物価高と実質賃金の低下という経済状況は、西側世界共通であり、庶民の不満鬱積の原因である。日本も例外ではない、ということだ。
日本の場合は、その西側世界全体での経済的不安定に加え、自民党統治の腐敗堕落が庶民の怒りを増幅しているということだろう。一方、アメリカ帝国や欧州では、移民問題が大問題となっているわけである。
何れにせよ、これまでのアメリカ帝国を筆頭とする西側世界によるシステム・ルールによる秩序が崩壊しつつある。そのような現実の中で、その影響を受けて、自公政権が行き詰まりを見せている、という認識を持つべきではなかろうか?
より具体的に、アメリカ帝国ら西側の失敗を見るなら、ウクライナ戦争での敗北があげられる。
https://www.corriere.it/esteri/24_ottobre_09/zelensky-roma-meloni-guerra-da2c18e7-937e-41d5-ac18-91045b3b7xlk.shtml
https://www.rt.com/russia/605528-peskov-ukraine-ceasefire-readiness-report/
以下は、RTからの引用である。
-------引用ここから-------
ウクライナ大統領がヨーロッパの首都歴訪の一環としてローマを訪問するのを前に、コリエレ・デラ・セラ紙は、政治的な理由からゼレンスキー大統領は、ロシア連邦の一部であり、モスクワの全面的または部分的な支配下にあるドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポリージャ州、ヘルソン州、クリミアに対するキエフの領有権を公式に放棄することはできないと報じた。しかし、イタリアの日刊紙によると、ウクライナ大統領は「西側諸国の約束と引き換えに、新たな公式国境を承認することなく、現在の境界線に沿った停戦に応じる用意がある」という。
(中略)
コリエレ・デラ・セラ紙は、ウクライナ大統領の姿勢が軟化したとされる理由として、9月にロシア軍がドンバスで進撃を加速させたことと、ウクライナ軍が現在、兵力と火力で劣勢にあることを挙げた。
-------引用ここから-------
上記イタリア日刊紙によると、ウクライナ軍は劣勢なのである。それ故に、ゼレンスキーは停戦を視野に入れざるを得なくなっている、と。大本営発表を鵜呑みにする日本のB層の思考力の限界の外に、世界の現実がある。
しかし、そんな日本のB層でも、物価高と実質賃金低下の主犯は政権与党であり、その一方で長期政権の澱み、腐敗堕落脱税自民党議員がのさばっているようにしか見えないことは、怒りの矛先が政治に向く契機にはなっているようだ。
おそらく、日本のB層は、ウクライナ戦争が物価高や実質賃金低下の原因である、という理解には至っていないだろう。愚かなアメリカ帝国ら西側のウクライナ支援がジブンでジブンのクビを絞めるだけであること、即ち経済制裁や戦争を長引かせることが、徒に経済的負担や困窮化につながり、西側の没落の加速化をしているだけであることも。
それでも、ウクライナが敗北確定であることは、事実現実だ。そして、その事実現実がアメリカ帝国ら西側世界に及ぼす影響も避けられないだろう。
エマニュエル・トッドの近著『西洋の敗北』のイタリア語版が出版された際、同氏によるイタリア人からのインタビューでの発言を以下に引用する。
https://corrieredibologna.corriere.it/notizie/cultura-e-tempo-libero/24_ottobre_07/l-antropologo-emmanuel-todd-se-l-ucraina-perde-la-guerra-a-vincere-e-l-europa-ba506b61-22dc-4fb2-b9c5-9445461e7xlk.shtml
「この戦争の結果がヨーロッパの運命を決定することになる。もしロシアがウクライナで敗北すれば、ヨーロッパのアメリカに対する従属は一世紀にわたって続くことになるだろう。私が信じているように、米国が敗北すれば、NATOは崩壊し、ヨーロッパは自由になるでしょう。ロシアの勝利よりも重要なのは、ドニエプル川でのロシア軍の停止と、プーチン政権が西ヨーロッパを軍事攻撃することに消極的であることだ。人口が1億4,400万人、人口が減少し、面積が1,700万平方キロメートルのロシア国家は、すでに領土を占領するのに苦労している。共産主義以前のロシアの国境が再構築されれば、ロシアには拡大する手段も意欲もなくなるだろう。ヨーロッパにおけるロシアの拡大への願望を空想する西側のロシア嫌悪のヒステリーは、真面目な歴史家にとってまったくばかばかしいものである。ヨーロッパ人を待ち受ける心理的ショックは、NATOが我々を守るために存在するのではなく、我々をコントロールするために存在していることを理解することだろう。」
①ウクライナ敗北=NATO崩壊=欧州解放、②ロシアによる更なる西側進攻は、「真面目な歴史家にとってまったくばかばかしい」ものである。この二点がトッド氏の発言のポイントである。
ウクライナ敗北は事実現実であるから、トッド氏の予想に従うなら所謂西側世界、即ちNATOの“崩壊“は時間の問題だろう。
そんな世界史的潮流の中で、私は今度の衆院選を眺めている。