中庸左派 のコメント

根本的問題はアメリカ帝国の経済の良し悪しということだろう。

もともと、FRBの利上げは物価高退治のために行われていた。では、実際物価高はどうなったのか?というより、物価高の原因は除去されたのか?その点でいうなら、ウクライナやイスラエルの戦争は続き、石油等の資源の輸入コストは高いままだ。それに、流通網の目詰まりもコストを押し上げ、物価高の原因とされている。その点からすると、そうした物価高の原因は変わらないままではないか?

とするなら、パウエル議長がいうような、「経済が引き続き堅調な局面において、歴史的な引き締めキャンペーンの解除を大幅利下げでスタートさせることにより、景気下降の可能性を抑えることになると語った。」ことはアヤシイカンジがある。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-19/SK1AEJT0AFB400

このため、真逆の評価もある。今回の利下げは「オーウェル的利下げ」だという揶揄。

-------引用ここから-------

質疑応答で米国消費者へのメッセージは何かと問われると、パウエル氏は、米国経済は好調であり、その状態を維持することを決定したと述べた。本当か? 50bpsの利下げは経済が好調だというメッセージか? では、75bpsの利下げは経済が好調だというメッセージか? これはジョージ・オーウェルの『1984年』のようだ。

戦争は平和である

自由は奴隷である

無知は強さである。

当然のことながら、記者は50bpsの利下げはインフレよりも労働市場を懸念していることを意味するのかと質問した。しかし、パウエル氏はこれを否定し、リスクはほぼ均衡していると述べた。このやり取りは問題を浮き彫りにした。

-------引用ここまで-------

https://www.zerohedge.com/markets/rabobank-goes-apeshit-powells-orwellian-rate-cut

トランプは今回の利下げを景気悪化の反映だと批判している。

https://www.politico.com/news/2024/09/19/trump-attacks-fed-rate-cut-00180068

それにしても、つくづく思うのは、アメリカ帝国は金融政策はほぼフリーハンドで好きなように実施している。巨額な財政赤字と国債残高にも関わらず、である。これは、ドル覇権により、アメリカドルが紙クズにならず、属国日本のような米国債の引き受け手がいるから、可能なのだろう。

一方、日本はと言えば、利上げをした途端に株価暴落を招き、利上げそのものを縛られている始末。通貨価値防衛のための利上げもままならず、そもそも利上げをすれば、国債価格の下落と利払い増大による財政圧迫の種になりかねない。

だから、日本には金融政策の幅は極めて限られているだろう。

それもこれもアメリカ帝国の属国故の悲哀ではないか?

No.1 3ヶ月前

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