中庸左派 のコメント

出生率低下の根本原因はなにか?諸説あり、だろうし、複合的要因があるのだろうが、私自身は若年層の非正規雇用化だと考えている。

ロイターの報道では「日本政府のトップ報道官は、政府は保育の拡充や若年労働者の賃金引き上げ促進など、少子化に対処するために「前例のない措置」を講じると述べた。」とのことだ。

「若年労働者の賃金引き上げ促進」とは、低賃金の非正規労働の問題と言い換えてよいのではないか?

https://www.reuters.com/world/asia-pacific/number-births-japan-hits-record-low-2023-2024-02-27/

日経連が「新時代の日本的経営」を発表したのは、1995年であった。これにより、「終身雇用」路線を止めて、非正規を増やして、総人件費を抑制し、一方で「能力主義」がもてはやされるようになった。

時代の流行は、ソ連邦型社会主義が崩壊し、新自由主義とか自己責任論にとって変わりつつあった。日経連のエリートは日本の競争力を高めたいと企図したのだろうが、どうやら、浅はかだったようだ。

それから約30年。出生率から見たら、この「新時代の日本的経営」は、日本を衰退に導く、失敗政策と見るべきだろう。

今や、出生率以前の結婚も出来ない、社会保障どころか社会からも、取り残された「アンダークラス」という層が増大するという状況だ。

「若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活」ということも言われている。

https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00691/

https://book.asahi.com/jinbun/article/14343399

私は組合の活動家をしてきたので、上記の問題は自らの大いなる関心事であった。しかし、現実的には大企業ばかりを組織した産別組合では、非正規雇用問題は遠い課題でしかなかった思われる。

さて、出生率からハナシを変えてしまう形で恐縮だが、乳児死亡率という概念がある。かつてエマニュエル・トッド氏は乳児死亡率や出生率の多寡から、ソ連邦の崩壊を予測したという。

--------ここから引用-------------

トッドは人為的につり上げられた米国のGDP、社会の一般的なレベルを示す米国の幼児死亡率、自殺と個人に対する犯罪の統計に注意を向けている。最後の3つの指標によると、トッド氏によれば「経済と社会は安定している」米国はロシアよりもはるかに悪いようだ。

--------引用終わり---------

https://vpk.name/en/819288_the-french-thinker-predicts-the-end-of-the-hegemony-of-the-west.html

そこで、参考までに、「世界の乳児死亡率 国別ランキング」を紹介したい。

https://www.globalnote.jp/post-12582.html

この指標では日本は優等生。ロシア、中国、アメリカ帝国で比較すると、最も成績が悪いのはアメリカ帝国であった。

No.5 8ヶ月前

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